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エセ科学、英単語帳にも進出

最近になって、英語の練習を再開しています。

これまでも英語には日常的に触れていましたが、「触れている」程度では上達が遅くて話になりません。
あと1年程で、海外研修を有益なものにできる程度の英語力をつける必要があります。

研究界では、「英語力が低くても、データが良ければ認めてもらえる」と仰る大家を何人も見てきました。

日本経済でも、「英語力が低くても、製品が良ければ認めてもらえる」という状態が長く続いてきました。

褒章をもらえるほどのデータや、世界を変えるほどの製品ならともかく、そうではないモノしか生み出せない一般大衆には、やはり英語は重要と考えます。

製造業ならともかく、サービス業となると世界に通用する日系企業が存在しないのも、英語力が大きな要因でしょう。

先日はベンチャーキャピタルの人に話を聞く機会があったのですが、曰く
・ベンチャーの多くはIT系と環境系である。
・上場後の株価上昇インパクトは、日本で約10倍、アメリカで約100倍である。
・この差は、同じITベンチャーでも、たとえばmixiは日本しか相手にできないのに対し、facebookは全世界を相手にできることから来ている。かかるコストが同じで、マーケットが10倍となれば、株価上昇率に10倍の差が出てもおかしくはない。

とのことでした。
確かに、サービスは特に言語操作能力が必要となるので、日本から世界に冠たるサービス業を生み出すのは難しそうです。


さて、以上はイントロ。

今日、本屋の英語勉強本コーナーで物色しているうち、妙な記事を見つけてしまいました。

Z会が出している、『速読・速聴 英単語 Advanced1000 Ver.3』。

最近改定されたようです。

このシリーズ、よく出来ていて、私も高校時代に愛用していました。

政治・経済・科学等、多分野の記事が紹介されており、その中の単語も一緒に覚えよう、というコンセプトです。

しかし今回(もしくは前回)の改訂で、ある科学系の記事が追加されていました。

例の「水」。

江○氏による『水は答えを~』についての記事でした。

「水に『ありがとう』と書いた紙を見せるか、『くそったれ』と書いた紙を見せるかによって結晶の形状が大きく違う」という、アレです。

この単語帳にある記事の要約は以下の通りです;

・氏の実験は、『二重盲検がされていない』という理由で、信憑性に疑問が呈されていた
・実際に二重盲検で調べてみると、氏の結果を否定も肯定もしなかった
・多くの科学者は、彼の実験を無視した
・しかしそれは哀しいことである。鍼などの東洋医学も、長い間『科学ではない』として退けられてきた。
・氏の研究も、少なくとも興味深い結果なので、しっかりと検証すべきだ。


いやいやいや。

何だかこれを読んだ瞬間、「負けた」という言葉が頭を掠めました。

この記事では、前提として「これは科学か、そうでないかの問題である」という立場にあります。

その上で、二重盲検などという立派な「科学的」手法を持ち出しています。

もうこの時点で、「水」派の勝ちです。

少なくとも読者を、「科学かそうでないか」のフィールドに持ってきたので。


この「水」の実験は、そもそも反証実験の必要さえありません。

「文字や音は、意味と一意につながるわけではない」ことを思い返せば十分です。

ある文字or音が、ある言語(orコンテキスト)では正の意味を持ち、他の言語では負の意味を持ったとき、結果はどうなるのか?

ある人が十字架のつもりで書いた「+」を、少し斜めから見ていた人が「×(バツ)」と解釈したら結晶はどうなったのか?

「良い言葉」「悪い言葉」の定義ができていない時点で、それは最初から科学ではありません。



佐藤優氏の言葉を思い出してしまいました。
(『インテリジェンス 武器なき戦争』や『地球を斬る』etcに掲載)

曰く、「竹島問題は、日本側に有利な状態で進んでいる。なぜなら、韓国側に『我々は竹島・
独島問題を共有している』ことを認めさせたからである。この種の領土問題では、ほとんどの場合は一方が問題の存在自体を認めない。だから、問題の存在を認めさせた時点で議論の素地が出来るので、こちらに有利なのだ」



そもそも科学以前の問題であるものを、科学のフィールドで議論させる人を増やしたのなら、それは氏の勝ち、なんでしょう。きっと。

英語教材のインパクトは意外に大きいので、その影響が心配です。
(本書はAdvancedなので、それなりに好奇心のある文系ビジネスマンが多く読みそう)
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コメント

ニセ科学批判者像

>科学以前の問題であるものを、科学のフィールドで議論させる人を増やした

まんまと江本に釣られて、ニセ科学だと批判するニセ科学批判者。
釣られているというよりも、マッチポンプか…

ま、釣られているのは確かですね。本来は無視するのが妥当なので。
ただこの程度のエントリーで水伝がさらに売れるとは思えないので、マッチポンプほどの効果はないかと。
この教材をエリート候補の高校生が使うことになるのか、と思うと多少暗澹たる気分になるわけですよ。

このエントリ

のことでは別になくて、一般的な話です。

あ、なるほど、失礼しました。
仰るとおり、私も含めて「ニセ科学批判批判者」の存在の総体はマッチポンプの役割を果たしていますね。
かのオノ・ヨーコさんも氏のファンですから、こちらの軸でも信者は広がっていそうです。

初めまして

今晩は。

教材に水伝、というのは悩ましいですね。ところで、その記述の元ネタは、明記されているのでしょうか。たとえば雑誌からの引用であるとか、水伝本の原典から引いたのか、とか。

------

もしかするとご存知かも知れませんが、上でコメントされている室井健亮氏に関しては、こちらが参考になるかと思います→http://gallerytondemo.blog.shinobi.jp/Entry/68/

なんと言うか

例えば、「水伝はオカルトだ」って言えばいい、と私は思うのですが。

>TAKESANさん

コメントありがとうございます。
初めまして、でしたでしょうか?以前に一度TBかLinkを頂いているはずで、その時から存じております。(TOPページがケロロ軍曹の頃だったかと思います)

残念ながら、氏の名前は明記されていたものの、この”実験”を検証したとされる科学者やジャーナル元は示されていませんでした。

>室井さん

仰る通りで、本来は「オカルトだ」で済むと思います。それが他のオカルトと異なり、かなり一般市民のレベルで「科学」のポジションを獲得しようとしていることに危惧しています。

>HILOKIさん

科学のポジションは獲得のしようがないと思います。
科学のポジションを獲得している、と勘違いしている人が一部にいるということなんだろう、と思いますが。
その勘違いを減らすためには、例えば「オカルトだ」と言った方がいいのではないか、と私は思うのですが。

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