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火星の土地、natureが購読得点として分配

nature から、定期購読に付随するプレゼントが来ました。

プレゼントは、火星の土地


さすがnature、こういう俗っぽいことには余念がありません。

おそらく、Lunar Embassy という会社とタイアップしているのだと思います。(→HP

この会社は、世界で初めて月の土地を販売し始めたところ。

現在、1エーカー単位でばら売りしてます。

そんなことしていいんかい?

という点に関しても詳しい反論が載っています。


実際には議論の余地がありまくりなんですけどね。
法的にも、倫理的にも。


1エーカー3000円で販売していて、現在4億エーカーを売ったとのこと。

(買うといっても証明書=紙切れが送られるだけなので、手数料や原価は1000円くらいでしょう。よってこの会社の利益は、ざっと2000円×4億=8000億円・・・。頭いいなぁ。)


自分では制御不能の空間に対して「権利」を主張するって、おもしろいなぁ。

逆に考えれば、この地球も、どこか遠く彼方で宇宙人が
「あそこはオレの土地だ」
「いやワタシのだ」
なんてケンカしている可能性もあるわけですね。

ん、というかこれは地球各地の原住民の現状と同じなのか。
もともと原住民が住んでたのに、帝国同士が権利を主張しあって、交互に侵略してきたり。



うーん、いろんな思考実験をさせてくれる、funnyな企画です。


【追記:注意】
どうも、この「プレゼント」メールはnature側のミスのようです。

不特定多数の人に回っていて、一部の人にはお詫びメールが来ているようで。

がしかし、私のところには訂正メールが来ていません。

こちらはホンモノなのでしょうか。

確かにこんな企画があったような気がしていた(しかし定かではない)ので、全く疑いもしませんでしたが。

怖。。。
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アカデミア志向の崩壊

lanzentraegerさんの『うすっぺら日記』の記事が話題になっているようです。

(Entry1:アカデミアへの進路の固定はどうしてなのか)
(Entry2:なぜアカデミア志向は瓦解したのか)

TBをたどれば他の方々のエントリーも読めます。
どれも読み応えがあります。

正直、そろそろこの問題への興味が脱感作ぎみなのですが。
それでも自分の問題である以上は無視するわけにもいかず。

今月号のAERAにも博士・ポスドク問題が取りあげられていましたが、
なんとも「うすっぺら」な記事でした。
博士の生の声がわずかしかない上に、ステレオタイプ。

「うすっぺら日記」の方がよっぽど「アツい」と思います。


ただ、この問題が周知されてきたからか、私の周りではアカデミア志向が非常に薄い印象があります。

周りの優秀な友人のほとんどが就職活動をしています。
「ドロップアウトして就職した」というイメージから逆転して、
「ドロップアウトして博士に行った」というイメージが定着するのも時間の問題ではないかとさえ思わせました。

実際に、「就活に失敗したからドクター」という人もちらほら・・・。


ただ、以前にも書きましたが「就職」と一口に言っても多様を極めるわけで、
学生の言う「就職と進学、どちらがいいか」という問題設定自体が視野の狭さを露呈しているようにも感じます。

『京』算機で生命活動を丸ごと計算?

理研を中心として、次世代スーパーコンピューターが開発されることになったようです。

(解説1:日経新聞
(解説2:産経新聞

特徴は
1秒間に1京回の浮動小数点計算ができる
(10ペタフロップス機)

・直線処理(スカラー型)と並列処理(ベクトル型)を並列させた初のスパコン。

・完成時には一時的に世界一の速さになる。

ということでしょうか。

日経のほうはさすがにマニアックな説明がなされています。

おもしろかったのは産経に書いてあった解説。
(おそらく理研のプレスリリース)

「目玉の一つは『生命体統合シミュレーションソフト』の開発だ。
私たちの体では、分子、細胞、心臓や肝臓などの組織・器官、全身と階層的に精妙な生命現象が営まれている。
生命現象を丸ごとシミュレーションすることは、現在のスパコンでは不可能だが、10ペタフロップスが実現すれば可能になるという。」

だそうで。

これはさすがに、一般大衆向けと言うか、グラント向けというか、「たぶん言っている本人も本気ではないんだろうなぁ」と思わせました。

何せ現状は、タンパク質の立体構造を一次構造から計算することさえままならない状態なのですから。

モルテン・グロビュールとかを考えてもなお、10の100乗通りくらいのエネルギー状態を計算する必要があるんじゃないかな。

それを、無数の糖・核酸・脂質との相互作用も全部計算して、細胞同士の相互作用も計算して、組織同士の相互作用も全部「丸ごと」計算するなんて、
そんなの量子コンピューターでも難しいのでは。

当面は、「丸ごと」予測するのではなく、「経験的に使える」モデルの模索の方が律速段階になるように思われます。

個人的には、このスパコンで円周率を京の単位まで出して欲しい。
確か今は2000兆桁が最高じゃなかったかな。
意味があるのかないのかよくわからないところが好きです。

Principles of Neural Science 6th, 発売延期

神経科学の代表的教科書、Principles of Neural Science の第6版がまた発売延期になったようです。

当初は今年の1月1日に発売する予定だったのに。

元旦当時、バンクーバーにいた私は、一刻でも早く購入しようとバンクーバーの書店を渉猟したのに。

ない。

ネットを確かめてみたら、今年の10月に延期、とのこと。

ショック。

それから9ヶ月。

今日、「そろそろ発売だな」と思ってAmazonを見てみたら。

発売予定日が来年の1月19日に伸びておる!


じらしすぎ。

いつの間にか Purves の Neuroscience 4thが発売済みだし。

3rdを読み終わっていない状態で新刊が出たので、ちょっと敗北感を味わいつつ。


とにかく早く欲しいです、Principle。

これだけじらす以上は最新のデータで固めて欲しい。

静脈認証技術:なぜnatureは紹介しない?

今週のnatureの記事に、バイオメトリクス(生体認証)の記事がありました。
(nature 449, 6 Sep 2007, pp38-)

金融決済やテロ対策のため、今後バイオメトリクスは主流になりますよ、
その技術もどんどん進んでいますよ、
という記事なのですが。

大きく疑問だったのは、取り上げているのが「虹彩」と「指紋」なんですよね。

大きく疑問が残りました。

なぜ静脈認証を取り上げないのか??


日本の銀行などで導入されてきた静脈認証は、
富士通と日立が世界でトップの技術を持っています。

静脈認証は、指紋認証よりも格段に優れています。
なぜか?

指紋認証は次のような欠点を持っています。

・指紋は変形したりなくなったりする(指先を酷使する人々や、負傷した人など)
・指が汗などで濡れていたりすると認証できなくなることがある。
・指紋は複製可能である

これに対して、静脈認証は上記の全ての問題を解決します。

・静脈の形は終生不変
・指の内部を撮影するので、表面の汚れは関係ない
・複製不能

また、精度の点でも指紋より優れており、
FAR(False Acceptance Rate:他人の指を間違って本人だと認識してしまう率)は、
指紋認証だと0.1%ですが、静脈認証なら0.0001%と、ケタが違います。


なぜこれほどにまで実用的な静脈認証をnatureは紹介しないのでしょう?

「どうしたら認証の正確性を上げられるでしょう?」

という質問に対しては、

「アメリカは、2本分の指紋を使うことで精度を上げています」

と答えるなど、あくまで指紋にこだわります。
虹彩認証も、イギリスのIRISシステムの紹介のみ。


な・・・なぜだ。

『最新性と話題性』をウリにするnatureにとって、静脈認証はうってつけのはずなのに。

欧米以外の技術を紹介するのがイヤなのか。
(↑ひがみすぎ?)




実は私、静脈認証に関するプチ論文を少し前に書いたことがありました。
「日本の静脈認証技術を、発展途上国の携帯電話ビジネスに役立てよう」というテーマで。

その前半部分だけアップしておきます。

本当に、かなりアツいですよ、途上国の携帯電話ビジネス。

携帯電話が実質的に銀行口座の役割を果たすため、投資家がメールでその「口座」に振り込み、途上国の人はそれを元手にビジネスを興せるのです。

投資家にとっても途上国の人にとっても大いに魅力的な話です。
The Economistが指摘するように、現在の貧困地域は、グローバル化の犠牲者ではなくて、グローバル化が進んでいないことによる犠牲者なのだろう、と思わせました。
【“静脈認証技術:なぜnatureは紹介しない?”の続きを読む】

【BOOKS】『脳学』:オリーブオイルは風邪薬より効く?

脳学 アッ!いま、科学の進む音がした (KS科学一般書) 脳学 アッ!いま、科学の進む音がした (KS科学一般書)
石浦 章一 (2007/08/23)
講談社



著者である石浦章一さんは、
・ 一般向けで、
・ 科学的正確性を期し、
・ 新しい話題を
・ 面白く、読みやすく
書いてある脳科学の著者として、池谷裕二さんと双璧を成すと思っています。

池谷さんの著書と異なり、引用文献を明記していないことが玉に瑕ですが。

(一般向けだから引用文献がないのは当然、と思われるかもしれませんが、意外に多くの脳神経系の専門家も読んでいるのです。自分の分野から少し外れただけで最新情報をアップデートできていないことはよくあるので。学生だけではなく、実際に複数の神経系教授・準教授が池谷さんの本を「勉強として」読んでいる例を知っています。そういった場合、引用文献が書いてある非常に助かるのです。)

以下、特に興味深かった点のメモ。

(以下の他にも、寿命を延ばす遺伝子や、アルツハイマー遺伝子など興味深い話は多かったのですが、前著『遺伝子が明かす脳と心のからくり』などの話題とかぶっていたため、インパクトは大きくありませんでした)

(1) 良性家族性新生児痙攣1(BFNC1)という病気があり、生後2週間以内にひきつけを起こす病気なのだが、この原因遺伝子はKCNQ1というKチャネルの異常だった。
この遺伝子はもともと不整脈の原因遺伝子として見つかったものだった。

(2) 18世紀から19世紀にかけてイギリスに君臨したジョージ3世は、頻繁に発狂することで知られていた。ジョージ3世の髪の毛が残っていたので、そこから原因を分析することになった。毛根がなかったのでDNA分析はできなかったが、髪の毛から質量分析をすることによって、大量の砒素と水銀が見つかり、これが原因とわかった。

(3) アメリカでは、ADHD用の薬であるリタリン(メチルフェニデート)が、集中力を高める薬として健常者にも大人気。また、記憶力を高める薬だけではなく、記憶力を悪くする薬も認可を受けた。これはPTSDのトラウマ消去対策。

(4) オレオカンタールという、高級オリーブオイルに含まれる物質は、風邪薬に入っているイブプロフェンに構造が似ている。どちらもシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害するので、機能も似ている。しかもイブプロフェンよりも抗炎症能力が高い。

以下、感想。

【“【BOOKS】『脳学』:オリーブオイルは風邪薬より効く?”の続きを読む】

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