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テストステロンが多い日はデイトレードに勝てる

テストステロンが多い日はデイトレードがうまく行くらしい。
(The Economist 17 Apr 2008)

記事の題名が「金融内分泌学 financial endocrinology」。

しかも元論文がPNAS。

nature に続き、PNASもネタのような論文を出すようになって来ました。

要点は以下の通り。

・ケンブリッジ大学のJohn Coates博士 とJoe Herbert博士は、デイトレードとホルモンの関係を調べるため、17人のトレーダーをボランティアで集めた。

・計測したのはテストステロンとコルチゾール。

・予測としては、平均より儲けた日には興奮してテストステロンが増え、損した日にはストレスによりコルチゾールが増える、はずだった。

・しかし結果は予想とは異なり、テストステロンは儲けた日の朝に高くなった。先行したのである。
・さらに、コルチゾールは損失ではなく不確定性に反応して高くなった。

・つまり、朝にテストステロンを計ればその日のトレードがうまく行くかどうかが予測でき、さらにトレーダーに向いているのは損をしてもストレスに思わない人、ということになる。



これは面白い。

テストステロンといったら男性ホルモンの一種。

やはりデイトレードは男性の方が向いているのでしょうか。

今後、儲けるためにテストステロンを注射する『ドーピング』が流行るかもしれません。

トレーダーの就職試験も、ゲームをやらせながらホルモン計測をするとかねw


追記:使える英語表現を発見。上記の記事の中で、「どちらの予測も適切ではなかった」という意味で、neither prediction was quite on the money という表現が使われています。moneyにかけてるんですね。さすが。
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自閉症増加の原因は診断基準の変更のせいかもしれない

今週のThe Economist (Apr 11, 2008)より。

自閉症スペクトラムが増えている主因は、もしかしたら単に自閉症の診断基準が変わったからだけかもしれない、という話。

自閉症が増えている原因については以前にも取り上げたことがありました。
1年程前には、「ワクチンに含まれる物質が原因だ」とするアメリカの圧力団体の話もエントリーしています。

ワクチン原因説はかなり有名らしく、このThe Economistの記事もワクチン説を否定するところから始まっています。

・ワクチンにより自閉症になることはない。

・しかし実際に自閉症は増えている。イギリスの場合、1990年には10万人中50人しかいなかったのが、今では400人いる。

・しかし今月のDevelopmental Medicine & Child Neurologyの報告によると、増加の原因は単に「現在なら自閉症と診断される子が、昔は健康と診断されただけ」としている。

・著者らは、38人のボランティアの大人を集めた。彼らは、過去に「自閉症ではなく言語障害」と診断された人々である。

・その結果、現代の基準では8人が完全な自閉症、4人が自閉症スペクトラムの一部と診断されることが判明した。実に3分の1である。

・親にもインタビューし、ボランティア要員の症状は子供の頃から存在していたことも確かめた。



私の場合、近年の急激な自閉症の増加原因として、「以前は“親が”子供を自閉症と認識していないか、もしくは認識していても社会に出さなかっただけ」と思っていました。

なかなか医者には行きにくいですからね。

がしかし、医者の側でも(一種の)誤診があったとは。
(基準が変わっただけなので、医者の責任というより統計の報道に問題があったというべきなのでしょう)

ただ、桁が変わるほどのインパクトがあるのでしょうか?

日本の例で見てみましょう。
(自閉症はICD-10という国際基準の下で診断されていますので、記事の内容を適用可能と考えられます)

日本の自閉症の増加率はイギリスほど大きくなく、現在は10万人中150人程度です。
(昔は10万人中20人程度で、これはイギリスと大差なし)
(c.f. Honda H et al, Cumulative incidence of childhood autism, Developmental Medicine & Child Neurology, 47 (1): 10-8, 2005.)

さて、日本の場合、聴覚・言語障害者の割合は10万人中340人程度(厚労省資料)。

このうち、仮に3分の1が自閉症だったと仮定すると・・・・110人程度の増加。


おや。ぴったりではないですか。


さすがにこの資料の「聴覚・言語障害者」が本記事のlanguage disorderと適合するとは思えませんので、やはりあくまで診断基準の変更は「一因」でしかないとは思います。
一方で、「主因」である可能性は高いかもしれません。

「事業化には研究者の広い視野が必要」?

4月7日号の『日経ビジネス』より。

田中耕一さんのインタビューが載っています。
要点を一部抜粋。

・私は二度失敗をした。一度は研究過程で。この失敗はノーベル賞につながった。
しかしこの発見の価値を会社も私も理解しておらず、実用化は他社の方が早かった。これが二度目の失敗。

・発見を事業化するためには3つの壁を越える必要がある。
1)その発見の価値を本人が気づくこと
2)その発見の価値を他人が認識してくれること
3)事業化のための資金収集
アメリカにはこれらのステップがシステム化されている。

・特定の分野を掘り下げるだけではなく、自分の研究を俯瞰し、異分野と融合させる必要がある。

・インターネットが普及するほど、対面コミュニケーションが重要になる。
アメリカのようにエンジェル投資家を増やすためには、「この人なら信用できる」という関係を研究者と投資家の間に作る必要がある。

・ゆとり世代を切り捨てようとする議論があるが、そんな威張ったことが言えるほど今の世代は立派な成果を出してきたのか疑問だ。
若い世代はもっと外に出て、研究一本ではなく複合的に評価されるべきだ。

(以上)

田中さんも、「研究者」から「事業者」に支点が移ってきたと思わせました。

昔の著作では、どうやって良い研究者になるかが説かれていて、事業家だの投資家だのという言葉はほぼ皆無でしたから。

それだけ、質量分析の事業化を他社に先行されたのを悔やまれたのかもしれません。



「研究者は視野が狭い。もっと広い視野を持って分野融合を」とは頻繁に聞かれる言葉ですが、思うに視野が広い人は研究の道を外れてしまう傾向が強いだけではないでしょうか?

だとすれば、掛け声は「研究者よ、もっと広い視野を持て」ではなく、「広い視野を持った人よ、研究に戻れ」になるのでは。


過去1週間で、生物系の修士/博士課程→金融業というキャリアを選んだ人を2人も出会いました。

しかも2人とも、「将来は研究者をサポートしたい」という目標を持っていました。

そこで思ったことが2つ。

・広い視野を持った研究志望者は、研究自体よりも研究のためのシステム作りに魅力を感じる傾向が強いのではないか?

・「迷ったら、他の人が選ばない道を行け」とよく言われるけれども(本誌のアステラス製薬会長のインタビューにもありました)実は私の選んだ道もごくありふれたものなのかもしれない。

サンプル数が少なすぎて統計的にはあまり意味を持ちませんが、人の考えることって大差ないんだな、と思わせるのには十分な経験でした。

意外に、将来は理系出身のファンドが増えて、研究はしやすくなっていくのかもしれません。

エセ科学、英単語帳にも進出

最近になって、英語の練習を再開しています。

これまでも英語には日常的に触れていましたが、「触れている」程度では上達が遅くて話になりません。
あと1年程で、海外研修を有益なものにできる程度の英語力をつける必要があります。

研究界では、「英語力が低くても、データが良ければ認めてもらえる」と仰る大家を何人も見てきました。

日本経済でも、「英語力が低くても、製品が良ければ認めてもらえる」という状態が長く続いてきました。

褒章をもらえるほどのデータや、世界を変えるほどの製品ならともかく、そうではないモノしか生み出せない一般大衆には、やはり英語は重要と考えます。

製造業ならともかく、サービス業となると世界に通用する日系企業が存在しないのも、英語力が大きな要因でしょう。

先日はベンチャーキャピタルの人に話を聞く機会があったのですが、曰く
・ベンチャーの多くはIT系と環境系である。
・上場後の株価上昇インパクトは、日本で約10倍、アメリカで約100倍である。
・この差は、同じITベンチャーでも、たとえばmixiは日本しか相手にできないのに対し、facebookは全世界を相手にできることから来ている。かかるコストが同じで、マーケットが10倍となれば、株価上昇率に10倍の差が出てもおかしくはない。

とのことでした。
確かに、サービスは特に言語操作能力が必要となるので、日本から世界に冠たるサービス業を生み出すのは難しそうです。


さて、以上はイントロ。

今日、本屋の英語勉強本コーナーで物色しているうち、妙な記事を見つけてしまいました。

Z会が出している、『速読・速聴 英単語 Advanced1000 Ver.3』。

最近改定されたようです。

このシリーズ、よく出来ていて、私も高校時代に愛用していました。

政治・経済・科学等、多分野の記事が紹介されており、その中の単語も一緒に覚えよう、というコンセプトです。

しかし今回(もしくは前回)の改訂で、ある科学系の記事が追加されていました。

例の「水」。

江○氏による『水は答えを~』についての記事でした。

「水に『ありがとう』と書いた紙を見せるか、『くそったれ』と書いた紙を見せるかによって結晶の形状が大きく違う」という、アレです。

この単語帳にある記事の要約は以下の通りです;

・氏の実験は、『二重盲検がされていない』という理由で、信憑性に疑問が呈されていた
・実際に二重盲検で調べてみると、氏の結果を否定も肯定もしなかった
・多くの科学者は、彼の実験を無視した
・しかしそれは哀しいことである。鍼などの東洋医学も、長い間『科学ではない』として退けられてきた。
・氏の研究も、少なくとも興味深い結果なので、しっかりと検証すべきだ。


いやいやいや。

何だかこれを読んだ瞬間、「負けた」という言葉が頭を掠めました。

この記事では、前提として「これは科学か、そうでないかの問題である」という立場にあります。

その上で、二重盲検などという立派な「科学的」手法を持ち出しています。

もうこの時点で、「水」派の勝ちです。

少なくとも読者を、「科学かそうでないか」のフィールドに持ってきたので。


この「水」の実験は、そもそも反証実験の必要さえありません。

「文字や音は、意味と一意につながるわけではない」ことを思い返せば十分です。

ある文字or音が、ある言語(orコンテキスト)では正の意味を持ち、他の言語では負の意味を持ったとき、結果はどうなるのか?

ある人が十字架のつもりで書いた「+」を、少し斜めから見ていた人が「×(バツ)」と解釈したら結晶はどうなったのか?

「良い言葉」「悪い言葉」の定義ができていない時点で、それは最初から科学ではありません。



佐藤優氏の言葉を思い出してしまいました。
(『インテリジェンス 武器なき戦争』や『地球を斬る』etcに掲載)

曰く、「竹島問題は、日本側に有利な状態で進んでいる。なぜなら、韓国側に『我々は竹島・
独島問題を共有している』ことを認めさせたからである。この種の領土問題では、ほとんどの場合は一方が問題の存在自体を認めない。だから、問題の存在を認めさせた時点で議論の素地が出来るので、こちらに有利なのだ」



そもそも科学以前の問題であるものを、科学のフィールドで議論させる人を増やしたのなら、それは氏の勝ち、なんでしょう。きっと。

英語教材のインパクトは意外に大きいので、その影響が心配です。
(本書はAdvancedなので、それなりに好奇心のある文系ビジネスマンが多く読みそう)

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