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【論文】CD38:このタンパク質がないと社会行動ができない

社会的に振舞うには、オキシトシンを調節するCD38が重要
CD 38 is critical for social behavior by regulating oxytocin secretion
Nature 8 Feb 2007

社会行動をするためにはCD38というタンパク質が必須だそうです。

日本の研究なので一般の新聞にも小さく載っていました。

社会行動といってもここで実験されているのはマウスで、しかも子育て行動のみ。
それでもインパクトがあるのは、この実験はCD38とオキシトシンの関係を示したから。

オキシトシンとは、下垂体後葉から分泌されるホルモンの一種です。

オキシトシンの機能は、小さな生理学の教科書には
「子宮収縮と乳汁射出を起こす」としか書いていません。
しかし近年の調査で、社会行動や感情と密に関わっていることが示され、注目を浴びています。


過去には様々な研究があります。

「オキシトシンを投与すると他人を信用するようになる」(→論文)(→関連ログ
「オキシトシンは母性愛にもロマンチック・ラブにも重要」(→論文)(→関連ログ
「オキシトシンを投与すると恐怖心が軽減する」(→論文
「オキシトシンは自閉症の症状を軽減した」(→論文

などなど、興味深いものばかり。
(自然科学の論文に romantic loveという言葉が使われているのを初めて見ました)

これだけオキシトシンの重要性が示されていれば、オキシトシンと関係するタンパク質を見つけただけでインパクトがあるというものです。


本論文は、CD38をノックアウトしたマウスは子供を積極的に養育しなくなることを示しています。

通常のマウスは、部屋に散らばった子供たちを一箇所に集めて、子供を温めます。
しかしノックアウトマウスは、散らばった子供を集めようともせず、温めようともしません。
この異常は、オキシトシンを投与するか、CD38を再発現させることにより回復する、としています。

ディスカッションでは、「CD38がCaカスケードを使ってオキシトシンを分泌してるんだよー」とか。


なるほど、おもしろい。
マイブーム。

関連論文も調べる予定。
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コメント

僕も・・

オキシトシン。。僕も新聞で見て、ちょっぴりリサーチしました(笑)

なるほどー。

素朴な疑問があって、どうやってオキシトシンをノックアウトするのかなー?
まだまだ、お子ちゃまレベルの理学部生でごめんなさい。。。。

へぇー。

知らなかったー。そして、面白そう。読んでみよう♪

>かずくん

いやいや、僕がノックアウトの方法を知ったのは3回生だから。
たぶんEessential細胞生物学に載っているはず。
(かなりややこしいので文字での説明は困難)
この本はどの分野に行くにしても持っていていい本なので購入を勧めます。
値段もリーズナブル。

もしミクロに行くことを決めたのなら、CELLを買っちゃってもいいでしょう。
どうせ必ず必要になります。

どうせ読むならこの論文よりも引用論文の方がおもしろいかと。

たまたま

オキシトシンの研究をしていまして たまたま読んだ論文のことが
かいてあったので なんだかコメントしちゃいました。

オキシトシン。これさえあれば この社会 うまくいくんじゃないかと
もくろみ、今日も葵祭りにつられながら 考えています

>かげ

あわわ、ごめんよ、コメントに今頃気づきましたm(_ _;)m
この種の論文も、動物の「うつ」を定義・観察する際の参考になるかもね。

>yukaさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
オキシトシンの研究をされているのですか。
オキシトシンにはとても興味があります。
葵祭りということは京都にお住まいなのでしょうか。
どこかでお会いするかもしれませんね。

初めまして。私はオキシトシンおよび、神経生理学の研究をしている者です。
私もこの論文をよみました。

鼻がだめになっているかもしれないというコメントをなさっていましたが、これについてお答します。

この論文中では、子育て行動(母性行動)だけでなく、社会行動としてオスのマウスによる個体を認識できるかというテストも行っています。
この認識力テストでは、面識のないオスとメスを同じケージに入れた時のオスが相手の肛門性器の臭いを嗅ぐ行動の回数を測定したもので、これを同じペアで4回行います。そして5回目では、それまでと違うメスを入れるという実験です(Fig.2a)。

結果、野生型(正常)のマウスでは1回目と比べ、3・4回目では臭いを嗅ぐ回数が減った(さっきのメスだと覚えていた為)が、5回目の新しいメスでは1回目と同様に、嗅ぐ回数が増えていた。  
    
そして、CD38のノックアウトマウスでは1回目から5回目まで回数に顕著な変化がなかった。 
・・・と書いてあります。

この実験のグラフ(Fig.2b)で、ノックアウトマウスの1回目の回数と野生型の1回目の回数が同じ程度であることから、嗅覚に異常があるとは考えられません。

論文を読むのを途中で止めるのは構いません。
しかし、この様にホームページに書くのであれば、正しい事を書いてください。
論文の中身が理解できていないくても、ちゃんと読んだのであれば、そんな馬鹿な質問は浮かばないはずです。

大学院生として実験をしているのなら、ネイチャーに論文が載るということがとても難しい事ぐらい知っているはず。少しでも考えられる仮説があった場合、それらを実験し証明していなければ、審査員や編集者に門前払いされてしまいます。

実際にサプリメント(補足)として、この論文中に載っている実験の他に15も実験を行ったデータも論文と共に記されています。

偉そうなことを言いましたが、実は私も大学院生です。
この論文はたった5枚ですが、


>MARさん

ご指摘ありがとうございます。
全く仰る通りで、お恥ずかしい限りです。
当該箇所は削除しました。

natureといっても「完璧な」論文を求めているわけではなく、穴のある論文はいくらでもあるのですが(むしろ意図的に反論の余地を残して投稿する人を複数知っています)普通の学部生ごときが考え付くようなレベルのことは埋めていて当然ですね。

あれ?ごめんなさい、書いている途中で送ってしまったので、編集したのですが・・・
変更されていない??

えーっと・・・続きがありまして・・・

大学院生といっても修士で、この論文のFigure4b・cがよくわからず、調べていた時にこのページを見つけました。なので、こんな偉そうなことが言える立場ではないのですが・・・読んでないのに、紹介している所にちょいと頭にきたので、コメントしました。 生意気な発言をして本当にごめんなさい。

と書いたのですが・・・

反論の余地があってもネイチャーに載るんですか!? 知らなかったわぁ・・・
インパクトファクターの高い雑誌は完璧じゃないと駄目なんだと思っていました。

ネイチャーは・・・・あっ、最近肺癌に関する研究で載ったって先生がいた。
1回、その先生の授業を受けただけで、ぜっんぜん知り合いじゃないけど・・・
しかも、学校から学内の職員全員に送られる、お知らせメールが来た程だったので・・・恥ずかしながら、うちの学校では載った人はあまりいないと思いますよ。 

なので、HILOKIさんのお知り合いで、載った方がいらっしゃるなんてすごいですね!

 

いえ、誤謬を正して頂けるのは大変ありがたく思います。

natureは「新規性」と「科学界に与える影響力」で論文を選んでいます。
フロンティアであればこそ、完璧なものを望むのは難しくなります。
「新規性もあって影響力も大きくてしかも実験は完璧」な論文はむしろ捏造の可能性を疑われるというウワサさえあります。

逆に、重要で完璧な論文であっても、その内容が地味ならばnatureには載りません。

知り合いというレベルではありませんが、nature級の人やノーベル賞受賞者と話す機会がよくあるので、そういったゴシップをよく耳にする環境にいるのは確かです。

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