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Glia Got Rhythm (2):ハエのグリア細胞の概日リズム

(続き)
・ハエの脳のグリアには、形態学的なサブタイプがいくつかある。たとえば;
1) 神経網neuropilの外にある神経細胞体と相互作用しているもの(cell body glia)
2) 神経網の中に存在するもの(neuropil glia)

・Ebonyの機能解析には、実質的に全グリアに存在するドライバー(ただしニューロンには存在しない)を使用した。よってebony cDNAを全グリアで発現させることは、レスキュー実験として十分である。

・Ebonyタンパクは、neuropil gliaには十分に存在するが、cell body gliaなど他のgliaには多く存在するわけではない。

・神経網におけるEbony(+)のglial processは、慨日ニューロンやドーパミンニューロンと接している神経突起に局在している。

・neuropil gliaはシナプスと相互作用し、神経の慨日回路の調整に関わっていると考えられている。

・EbonyはPDFを含むLNvの近傍に発現しており、かつEbony変異体はリズムに変調をきたしているので、この変異体はLNvに問題があると考えられる。
しかし変異体のLNvには形態学的な変化は何もない上、PERやTIMはrobustな振動を示す。しかも周期的にPDFを分泌する。

では、どのようにEbonyは慨日行動を制御しているのだろうか?

・Ebonyはドーパミン(DA)シグナルを制御している可能性が考えられる。

・Drosophila Dopamine Transporter (dat) の変異体は自発運動、睡眠、覚醒を制御していることがわかっている。

・本論分では、ebonyとdatは相互作用していることが示された。

・ebony変異体は、dat変異体で見られる多動を抑制した。

・DATはDAを介したシナプス伝達を止める働きがあるので、EbonyはDAシステムを活性化する役割があるのかもしれない。

・また、EbonyはドーパミンからNBAD(N-β-alanine-dopamine)を生成する触媒機能を持っているため、NBADは前シナプスか後シナプスで何らかの作用を持っているのかもしれない。

・Ebonyは、βアラニンをDAだけでなくセロトニン・オクトパミン・ヒスタミン・チラミンなどと結合させる作用もある。

・他には以下のようなモデルも考えられる。
シナプスが活動している間に、Ebonyを持つグリアがシナプスからDAを除去し、NBADを生成して、DAをプレシナプスのニューロンにリサイクルする過程に使われる。

ebony変異体では、NBADの生成を阻害することで、このリサイクルの過程を抑制し、ドーパミンのシグナルを阻害する。

・mammalのCNSではグリアは形態学的および生理学的に強くシナプスに結合している。グルタミン酸を介した伝達においても重要な役割を果たしている。

・NBADや、他のEbonyによる産物は日中に増加するようである。
これはEbonyが日中に増えることとも整合性がある。
(このとき、自発運動も増加する)

・今後の実験としては、グリアの慨日リズムを人工的に変化させることで、ハエのふるまいがどのように変化するのかを見てみるのも面白い。

・mammalのSCNでもグリアが関与している証拠があるので、Drosophila だけでなく
mammalでも同様にグリア(アストロサイト)は同様の機能を持っているかもしれない。

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