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「事業化には研究者の広い視野が必要」?

4月7日号の『日経ビジネス』より。

田中耕一さんのインタビューが載っています。
要点を一部抜粋。

・私は二度失敗をした。一度は研究過程で。この失敗はノーベル賞につながった。
しかしこの発見の価値を会社も私も理解しておらず、実用化は他社の方が早かった。これが二度目の失敗。

・発見を事業化するためには3つの壁を越える必要がある。
1)その発見の価値を本人が気づくこと
2)その発見の価値を他人が認識してくれること
3)事業化のための資金収集
アメリカにはこれらのステップがシステム化されている。

・特定の分野を掘り下げるだけではなく、自分の研究を俯瞰し、異分野と融合させる必要がある。

・インターネットが普及するほど、対面コミュニケーションが重要になる。
アメリカのようにエンジェル投資家を増やすためには、「この人なら信用できる」という関係を研究者と投資家の間に作る必要がある。

・ゆとり世代を切り捨てようとする議論があるが、そんな威張ったことが言えるほど今の世代は立派な成果を出してきたのか疑問だ。
若い世代はもっと外に出て、研究一本ではなく複合的に評価されるべきだ。

(以上)

田中さんも、「研究者」から「事業者」に支点が移ってきたと思わせました。

昔の著作では、どうやって良い研究者になるかが説かれていて、事業家だの投資家だのという言葉はほぼ皆無でしたから。

それだけ、質量分析の事業化を他社に先行されたのを悔やまれたのかもしれません。



「研究者は視野が狭い。もっと広い視野を持って分野融合を」とは頻繁に聞かれる言葉ですが、思うに視野が広い人は研究の道を外れてしまう傾向が強いだけではないでしょうか?

だとすれば、掛け声は「研究者よ、もっと広い視野を持て」ではなく、「広い視野を持った人よ、研究に戻れ」になるのでは。


過去1週間で、生物系の修士/博士課程→金融業というキャリアを選んだ人を2人も出会いました。

しかも2人とも、「将来は研究者をサポートしたい」という目標を持っていました。

そこで思ったことが2つ。

・広い視野を持った研究志望者は、研究自体よりも研究のためのシステム作りに魅力を感じる傾向が強いのではないか?

・「迷ったら、他の人が選ばない道を行け」とよく言われるけれども(本誌のアステラス製薬会長のインタビューにもありました)実は私の選んだ道もごくありふれたものなのかもしれない。

サンプル数が少なすぎて統計的にはあまり意味を持ちませんが、人の考えることって大差ないんだな、と思わせるのには十分な経験でした。

意外に、将来は理系出身のファンドが増えて、研究はしやすくなっていくのかもしれません。
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コメント

では、僕はそういう視野を持ちながら、研究を続ける道を模索するよ。その方が、どっちつかずで、余計大変かもしれないけどね。

一見自分にとって門外漢で、手付かずの分野は手が伸びやすいからね。みんなそうなのかもしれないけど。その視野と、自分が掘り下げるべき事がわかっていることがバランスできれば、いいんだけどなぁ。

卑近な例で言うと、山中先生なんかは、そういう意味では、両立してる気がして、よけいに偉いなあと思うんだけどね。

いや、是非とも樫田君にはそんな研究者になって欲しいです。
「どっちつかず」ってことはないと思います。その方が良い研究者になれると、僕は信じてる。
ただ、短期的にはやっぱり大変だろうね。一つのことに集中してる方が中級の論文は出やすいから。

確かにバランスって大切。僕にはまだそのバランス感覚がなさそう。

山中先生は本当にすごいと思います。あの政策通はそのへんの政策学者よりも理解していそう。ちなみにうちのボスもだいぶ社会全体についての視野が広いです。

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