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自閉症増加の原因は診断基準の変更のせいかもしれない

今週のThe Economist (Apr 11, 2008)より。

自閉症スペクトラムが増えている主因は、もしかしたら単に自閉症の診断基準が変わったからだけかもしれない、という話。

自閉症が増えている原因については以前にも取り上げたことがありました。
1年程前には、「ワクチンに含まれる物質が原因だ」とするアメリカの圧力団体の話もエントリーしています。

ワクチン原因説はかなり有名らしく、このThe Economistの記事もワクチン説を否定するところから始まっています。

・ワクチンにより自閉症になることはない。

・しかし実際に自閉症は増えている。イギリスの場合、1990年には10万人中50人しかいなかったのが、今では400人いる。

・しかし今月のDevelopmental Medicine & Child Neurologyの報告によると、増加の原因は単に「現在なら自閉症と診断される子が、昔は健康と診断されただけ」としている。

・著者らは、38人のボランティアの大人を集めた。彼らは、過去に「自閉症ではなく言語障害」と診断された人々である。

・その結果、現代の基準では8人が完全な自閉症、4人が自閉症スペクトラムの一部と診断されることが判明した。実に3分の1である。

・親にもインタビューし、ボランティア要員の症状は子供の頃から存在していたことも確かめた。



私の場合、近年の急激な自閉症の増加原因として、「以前は“親が”子供を自閉症と認識していないか、もしくは認識していても社会に出さなかっただけ」と思っていました。

なかなか医者には行きにくいですからね。

がしかし、医者の側でも(一種の)誤診があったとは。
(基準が変わっただけなので、医者の責任というより統計の報道に問題があったというべきなのでしょう)

ただ、桁が変わるほどのインパクトがあるのでしょうか?

日本の例で見てみましょう。
(自閉症はICD-10という国際基準の下で診断されていますので、記事の内容を適用可能と考えられます)

日本の自閉症の増加率はイギリスほど大きくなく、現在は10万人中150人程度です。
(昔は10万人中20人程度で、これはイギリスと大差なし)
(c.f. Honda H et al, Cumulative incidence of childhood autism, Developmental Medicine & Child Neurology, 47 (1): 10-8, 2005.)

さて、日本の場合、聴覚・言語障害者の割合は10万人中340人程度(厚労省資料)。

このうち、仮に3分の1が自閉症だったと仮定すると・・・・110人程度の増加。


おや。ぴったりではないですか。


さすがにこの資料の「聴覚・言語障害者」が本記事のlanguage disorderと適合するとは思えませんので、やはりあくまで診断基準の変更は「一因」でしかないとは思います。
一方で、「主因」である可能性は高いかもしれません。
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