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博士に進学すべきか?:博士後に控える問題をあぶり出すブログ集

博士課程に進学すべきかどうか、迷っています。

昨年までは、ほぼ100%進学する予定でした。
それが、『失敗しない大学院進学ガイド』という衝撃的な本を読んで
95%くらいにまで落ちました。

最近は、多くの研究者がブログを書いていることを知り、
「博士・ポスドク問題」の生の声を読むようになりました。
おかげで博士進学のモチベーションが90%くらいまで落ちてます。


実態を知るとかなり気が滅入ります、ほんと。
上記の本に書いてあるよりもさらに博士は先行き不透明な感触を受けます。

このブログを見てくれている友人の中にも
博士進学を迷っている人が何人かいるはず。

皆優秀なのですが、どうも「優秀ならば何とかなる」状況ではない印象を受けるので、
知れることは事前に知っておいていいと思います。
私自身も、就職するならあと半年で決断しなければいけないので
あまり時間が残されていないのですが。
(しかしあと半年では研究と言える研究をやった気がしません。
悩ましい問題です。)

以下、参考になるブログエントリー集です。
リンクと、リンク先の文章中で印象的な一節を引用しています。

全て個人の一視点であり、統計的に偏ってはいますが、
我々は普段、教授や参考書などで「研究者として成功した」声しか聞かないので、
むしろ感覚的な統計を是正する意味でネガティブな声を拾うのも妥当かと思います。
博士の生き方
博士から就職するに当たっての多くのデータが参考になる。
このHPに掲載されている体験談は、博士課程に進学した理由として、

「なりゆきで博士に進学」
「大学の助手のポストでも得られたらプライドも満足」
「学部の時に就活をしてみて、二度としたくないと思った」


など、さすがに考えが浅かったのではないかと
思えるものが多く掲載されているので、あまり参考にならない。

このHPの中にある「博士と派遣とベンチャーと」という記事は、最近増えている「博士→派遣」という状況に対する警鐘。

「博士号取得者の扱いに対して、派遣に渡すという選択肢しか示せないのであれば、彼等の就職支援をおこなうよりは、大学の中に囲い込むことを考えた方が社会からの要請には背を向けることになってしまいますが、博士課程のもっている価値を変えないという点で、まだましだろうと思います」

博士が100にんいるむら

かなり有名なようで、カウンターの上がり方が速い。
ただしこの最後の「8人」は、「追跡不能」という意味の「不明」であって、
「行方不明」や「死亡」を必ずしも意味しない。
あまり気休めにならないが。

うがった見方をすれば、博士も「過労死や精神を病んで自殺する世間のサラリーマン並み」と言うこともできる。
これまた気休めにはならないが。
しかも博士課程はこっちがお金払ってるし。


以下、有名な柳田先生のブログより。

その1.
「セーフティネットという言葉が最近よく使われていますが、博士号取得者にたいする、セーフティネットは現状ではまったくありません。」

「それで、セーフティネットに鋭敏な社会感覚を持った若者が博士の大学院にやってきません。それでは、どんな若者が来るかと言えば、そういうことに疎いか、学問が出来たらどんな状況になってもかまわないという殉教者的な若者か、それとも他にいけないけれどもたまたま院入試の偏差値が高いとか、そんな若者になってしまってるのです。」

その2。
「わたくしは博士達の全国ユニオンが作れたらいいのにな、と思うのです」

「博士号取得者は約10万人だそうです。そのうち企業にいるのはわずかに1万人です。大学が7万人なのですね。ですから、これで、博士達がいかに今後も苦境に陥るかは、明々白々にわたくしには思えます。」

その3。
「大学院で博士課程に残ったときに、しばらく経って、人生で相当大きな誤算をしたのではないかと、かなり参ったものでした」


次はvikingさんが運営されているブログ、大「脳」洋航海記より。
これ以外にもポスドク問題に関するエントリーが多い。


進むも地獄、退くも地獄

「現在の博士課程の院生たちはどこの研究室に配属されるかで運命が変わってしまうような、理不尽な環境に置かれています。ある研究室の学生はみな業績が稼げて就職先(アカポス)は見つかっても精神を病むほどせっつき回されて追い込まれ、また別の研究室の学生は心身は健康でも肝心の業績が上がらなくてアカポスも見つからず、そしてある研究室の学生は業績が全然足りないのにコネでアカポスに就いてるのに別の研究室の学生は業績があってもコネがないばかりにフリーター生活を余儀なくされたり、なんてことも・・・」

進むに進めず、退くに退けず
「大学院にいた5年間の僕の見聞からいうといい研究のできる修士の院生というのは大抵の場合就活をさせてもうまくいくものだということ。・・・そう、院試に合格したM2たちの多くは「東○三○U○J銀行」「野○證券」「マ○キ○ゼー」「S○○Y」「N○C」といった各業界(しかも羽振りのいい業界)最大手クラスの超有名・優良企業への就職の内々定を取っていたのです。」

「さぁ、そういう学生たちが最大手企業への就職と博士課程への進学とを天秤にかけて、はたして進学を選ぶと思いますか? 生涯収入で2倍とか3倍とか、うっかりすると(例えば金融関係とかだと)ケタが1つ飛んでしまうくらいアカポスとは差がつくほど収入に恵まれた職を蹴って、いつ安定した地位に就けるかもわからない研究者というイバラの道を歩むことを選ぶと思いますか?」


ドクター問題その後(3): 日本の研究者養成システムは既に崩壊している

「このポスドク(ドクター)問題の深刻化著しい時に、諸手を挙げてそういう優秀な学生がアカデミアの世界を目指してやってくるのに賛成するわけにはいきません。優秀な学生が博士課程の高等教育を受けた結果としてどこにでもいる派遣社員になってしまうようであれば、それは社会的な損失でしかありません。僕は、その学生が来たら『研究者になんかなるな』とまず言ってやるつもりです。」

ドクター問題その後(4): 社会からの冷たい視線に晒される博士たち
「そこで女子学生を引き合いに出すこと自体既におかしいと思いませんか? うがった見方をすれば、日経の記事は、男女の雇用機会均等もドクター・ポスドク問題の解決も絵に描いた餅だと言っているかのようにも読めてしまいます。これが世間一般の見方だとしたら、少なくともドクター・ポスドク問題の解決なんてものは日本では限りなく絶望的だと見た方が良さそうですね。」


次はlanzentraegerさんが運営されている「うすっぺら日記」より。

その1。
「文系出身でメーカーの事務職をやっている友人と飲む機会があった。その彼にこんなことを言われた。

『博士の人のイメージとして、好きな研究がしたいとか、自分の特性を活かしたいとか、そういうこだわりを感じるが、ひどい言い方をすると、はっきり言って夢追いフリーター、例えばミュージシャンとして大成することを夢見ているフリーターと何ら変わらない気がする。

会社に入ってる人間は、学生とは違って、好きなことなんぞできないのは当然で、大きな責任感とストレスを抱えているんだ。

そんなにやりたいのなら、どんなに不遇でも低賃金でも好きにやればいいんじゃないか。で、その割りには、アカデミアをあきらめて就職しようって時に、じゃあその理由は?って聞くと、本音は将来性のなさやお金の問題。
結局そこかと思う。』」

「このように「好きな研究をしている=遊んでる」という悪いイメージを持った人は結構多い気がする。彼らの本音は、博士は「使えない」のではなくて、「使えなさそう」「使いにくそう」「使いたくない」のだ。」

これ、全く同じことを私の友人も言っていた。
一般社会の本音を聞ける友人がいるのはなかなか便利である。

その2.

「博士課程やポスドクに進もうと思うものは、多くは自分の能力に大きな自信を持っていると思いますが、
『能力が高くても、運が悪ければ深刻な状況に陥るかもしれない。運が悪かったら生き残れない、これを納得して、それでも良いと思うなら進めばいい。』
と言われて、納得する人間が果たしてどれほどいるでしょうか。」


次は、夫婦で研究者をされていて、子育て中のお母さんのほうが記録しているブログ。

かなり優秀な業績を出していても夫が就職難に苦しむ様子がにじみ出ていて辛い。

全く他人事ではない。
子供を食わせることを第一に考えるなら就職の方がいいんだろなぁ。
あとは価値観の問題か。

職業としての研究者
「日本に緊急一時帰国した時、お会いした先生のラボは、来年度の4月から博士課程に来てくれる学生がいないとか。思わず、「学生君、賢明な選択だよ。」と思ってしまいました。」

「パパがえるがジョブハンティングを始めて一年ちょっと。
精神的に辛いです。パパがえるが一番辛いでしょう。
インタビューに呼ばれることはすごいことです。
でも、仕事が取れないと言うことは、ある意味、自分がしてきた研究が評価されない、ということなります。
自分が否定される。それに、この将来、仕事が見つかるか分からない、その不安。
ママがえるは正直、パパがえるが壊れるのではないか、と不安もあります。
ストレスは人生の中で一回や二回あってもおかしくないのかもしれません。
ただ、自己否定されるストレスは希望もなく、妻として、同業者として、パパがえるが苦しんでいるのを見るのは、辛いのです。」


さぁ、どうしようか。
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コメント

博士号は「足裏の飯粒」に例えられることがあるらしいよ。
「取らないと気持ち悪いが、取っても食えない」 ということらしい^^; うまい。

>fluc-tu-a-tion

あるよね、そういうの・・・。
「末は博士か、博士は末か」とか。
哀。

夢追いフリーターw

ひとつ言える事は、追わなきゃ向こうからはやってこないことですね。
何かを得ると言うことは何かを捨てることなんでしょう。
その取捨選択は価値観ですから。
まだミュージシャンになるというよりは、博士課程進学の方が社会的理解がありそう。笑

>かげ

まぁね、社会的理解もある上、才能に左右される割合が少ないし
競争率も小さい(せいぜい100倍)からその意味で妥当ではある。

僕のように、学位取れないという可能性もありますよ、と。
その場合も就職には不利です。

イギリスは?

イギリスで大学の先生をしています。イギリスは、「優秀であれば何とかなる」システムが機能している国だと思います。脳科学なら、出版物さえそろっていれば、外国人でもポスドクそして教官の仕事は見つかります。海外に飛び出すという手もあるのではないでしょうか?

>心理学者さん

コメントありがとうございます。
イギリスが「優秀であれば何とかなる」システムを有しているのなら素晴らしいと思います。
大学の数自体が少ないので入学の時点でスクリーニングがかけられているのではないでしょうか。

「優秀」を定義し計測するのが難しいため一般論の域を出ませんが、
仰る通り優秀であれば海外に行くという手もあると思います。
ただ諸々の事情で海外で働くことが困難な人もいるでしょうし、
「優秀な人も海外に出なければ職に困る」という状況はやはり改善すべきと考えています。

イギリスと日本

イギリスは確かに日本より大学の進学率が低いです。イギリスで「優秀であれば何とかなる」風土が出来上がってきた一つの理由は、進学率よりも、政府機関による大学の研究の質の評価が6年に一度行われ、それによって予算配分が変わるという仕組みが大きく関与していると思います。専門ごとに(たとえば、心理学、化学、哲学)イギリス中の全学科が同一の評価基準でランキングされます。全教官は、過去6年でベストと思われる出版物を4点と、研究助成金の全リストを提出することになっています。出版物は4点だけなところが、うまいとおもいます。量より質ということをはっきりとさせています。したがって、よい出版物を持っている人は、国籍その他には関係なく、就職が有利になります。

日本も、学科ごとに研究の質を全国一律評価し、それが何らかの形で予算に影響するような仕組みをつくることが必要なのではないでしょうか。そうすれば、「人脈」「コネ」などといっている場合ではなくなり、とにかくできる人を雇うというs状況が自然と出来上がるはずです。

>心理学者さん

詳細な情報、ありがとうございます。
イギリスも近々、予算配分のシステムが大幅に変わるという記事を科学系のジャーナル(nature?)で読んだ覚えがあるのですが、6年後との評価という点は変わらないのでしょうか。

量より質、という点は本当に素晴らしいですね。
意欲のない人は4報も出せないでしょうし、逆に意欲的な人は質を高めるのに十分な少なさだと思います。

専門が異なるのに一律の基準が適用されるという点は、興味深いのと同時に、いかにして有効に機能しているのかが不思議です。
同じ分子生物学系でも、実験結果の科学的評価方法が全く異なったり、いわゆる『業績』が出せるのにかかる労力や時間に大きな差があるので、どのような基準で評価しているのかが知りたいところです。

英国の研究評価システム

今年の暮れに、6年に一度の一斉評価があります。その後、仕組みが変わるそうですが、詳しいことはまだはっきりとしていません。

専門が異なっても、提出物は一緒です。ただ、評価基準はもちろんちがってきます。文系なら単著が当然大事だし、自然科学系ならネイチャー、サイエンスを筆頭としたプレステージの高い雑誌の論文が大事になってきます。ただ、単純にインパクトファクターだけを見る訳ではないようです。例えば同じ心理学の中でも、神経科学系の雑誌に出すような研究者は当然インパクトファクターの高い雑誌の論文が多くなりますが、もっと文系的な研究をする人はそうはなりません。評価するのは、国内外の専門家なので、そのへんはさじ加減ができている(と信じたいです)。出版物を一点一点、国際的なレベル注目を集めた専門分野にブレークスルーてきな貢献をしたもの、ブレークスルーではなくても重要な貢献をしたもの、国内レベルで注目される程度のもの、などなど、区別をしていそうです。

>心理学者さん

ありがとうございます。
数でなく、ブレークスルー度で評価するというのは、本来あるべき姿だと思います。
素人目には、「ブレークスルーではないがデータベースとして重要な研究をしている人」への予算がつきにくくなってしまうように思ってしまいますが。

公衆衛生学

M1に在学の私は、進学するか就職するかを迷っています。
でも、うちの大学院の博士は4年もいるので、ほんとうに進学したほうがいいかなって不安で.....

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