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ダリとエッシャー:科学好きの画家たち

ダリ展に行ってきました。
大阪、サントリーミュージアムで行われています。

ダリって誰?
という人も、「記憶の固執」という絵はどこかで見たことがあると思われます。
柔らかい時計が木に引っかかっていたりする、あれです。
(本当は絵をブログ上にアップしたかったのですが、
著作権の関係で問題がありそうなのでリンクにします)

ダリは、科学に強い興味を持っていた珍しい画家の一人でもあります。

1930年代に描かれたこの「記憶の固執」は相対性理論の影響を受けています。
(時計が歪んでいるのは時間が歪むイメージ)

1950年代以降は、原子力物理学にハマっています。
原爆投下が強いインパクトを与えたようです。

「記憶の固執の崩壊」という絵では、「記憶の固執」をベースにしながら
モノが核分裂によって散り散りになってしまうイメージが描かれています。

1970年代以降は、今度は生物学にハマっています。
DNAの発見が彼にインパクトを与えたようです。
二重らせんのモチーフが何度も登場します。

今回の展示ではDNAをモチーフにした絵はあまり見られませんでしたが、
東京・上野の森美術館でのダリ展ではもっとわかりやすくDNAをモチーフにした作品を見ることができました。

DNAが左右対称ではなく、ちゃんとメジャー・グルーブとマイナー・グルーブがありました[1]。
(あ、左巻きか右巻きかを確かめるのを忘れた・・・)



描く作品は違えど、ダリの趣向はエッシャーを彷彿とさせます。
エッシャーも科学(特に幾何学と物理)に強い興味を持ち、
「私は芸術家よりも科学者のほうが話が合う」と言っています。

錯視を利用した作品を残していることも共通しています。

人生の後半では雑誌の表紙を描くなど、大衆のカルチャーに溶け込んだことも同じ[2]。

生物観については、
エッシャーが生物の機械的・幾何学的美しさを好んだのに対し
ダリは全生物の背後にある物理法則に惹かれたことが違いでしょうか。

どちらも私の好きな画家です。


上にリンクさせた「記憶の固執」の解説には、ダリ自身の解説もあります。
「柔らかい時計はダリ的な巨大なDNA分子なのである」
これはたぶんテキトーに言ったのでしょう。
これが描かれた1930年代にDNAは発見されていませんから。

「私の絵の意味など私自身もわからない」というダリの言葉のほうが好きです。

「ある映像を見ると、関係のない他の映像が浮かんでくる」
というダリ。
一種の共感覚を持っていたのではないかと思います。


彼は「科学と宗教の統合」を目指していたそうです。
「原子力神秘主義」とさえ呼ばれていたようで、一歩間違えば
エセ科学かカルトに分類されるものと思われます。

どうせ同じエセ科学ならダリの作品を見ていたい。
昨今の「脳ブーム」は彼の手にかかったらどんな絵になったのか、
想像してみるのも楽しいものです。



(追補)
[1] “CELL: The Problem Approach”によると、某DNA学会は、
パンフレットの表紙に左巻きのDNAを描いてしまったとか。
素人以下の注意力なのか、もしくはジョークなのか・・・。

[2]我々がダリやエッシャーの絵を見たことがあるのもこの影響が大きいと思われます。
「柔らかい時計」はドラえもんのタイムマシンが通るトンネルに大量に描かれているので、もしかしたら藤子さんもダリの作品を見たことがあるのではないか、などと空想しています。
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