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【BOOKS】『脳とコトバのはなし』:書けるけど読めない障害?

臨床医が語る脳とコトバのはなし 臨床医が語る脳とコトバのはなし
岩田 誠 (2005/11)
日本評論社

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「全失語、つまり喋れない、読み書きもできない、言語を理解もできない患者さんがいました。しかしその患者さんは知的能力は持っていたのです。」


冒頭はこんなエピソードから始まる。
「言語を処理できないのに知的能力?意味がわからない」
と思っていると、その数行先を読んで驚いた。

「この患者さんは将棋が好きだったと聞いていたので、将棋の強い研修医に将棋の相手をしてもらったんです。

駒を指差して「これは何ですか?」と尋ねても答えられない。「角はどれですか?」と尋ねても指差せない。

ところが、この患者さんは駒を盤上で正しく動かすことは全く支障なくできるんです。桂馬も、問題なく

その試合では研修生が勝ってしまいましたが、悔しそうに見えました。」


知能とは何だろう、言語とは何だろう、と考える上で貴重な事例が数多く出てくる。


著者は臨床医としての立場を生かし、脳を損傷した患者が見せる様々な不思議な現象を見出している。
自分が見てきた症例と、過去の海外の論文とを比較しつつ、それらの論文の妥当性を論じたり、私見を述べたりしている。



知識、
論理力、
そして患者への思いやり。

著者はこの全てを備えているように思える。
だからこそ貴重で興味深い現象を引き出せるのだろう。

文字が読めないのに新聞の株式欄だけは読める人、
漢字の「へん」は書けるのに「つくり」が書けないので完全な漢字を作れない人、

考えさせられるものばかりだ。

(「五」とか「心」とか、へんもつくりもない漢字はどうなるんだろう?)


患者に対して様々な実験ができるのも、患者との強固な信頼関係が築けているからだとわかる。
(実験といってもリハビリの一環である)


これらの症例は、脳の仕組みを直接証明することには寄与しないであろうが、
既存の理論の反証や、新しい理論へのヒントとしては協力に作用すると思われる。
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