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【BOOKS】マススペクトロメトリー(MS)関連書籍

マススペクトロメトリー(MS)を勉強する上で読んだ本の感想・評価。

目次:
『プロテオミクス実験プロトコール』谷口寿章著 秀潤社2003
『できマス!プロテオミクス』小田吉哉著 中山書店 2004
『プロテオーム解析マニュアル』磯辺俊明 他著 羊土社 2004
『ポストゲノム マススペクトロメトリー』丹羽 利充編 科学同人 2003
『これならわかるマススペクトロメトリー』志田保夫 他著 化学同人 2001
『ノーベル賞の質量分析法で病気を診る』清水章著 岩波書店 2003
『生涯最高の失敗』田中耕一著 朝日新聞社 2003

感想・評価↓

『最新プロテオミクス実験プロトコール』谷口寿章著 秀潤社2003

実験に携わる者としては本書が最も役に立った。

・プロトコルが詳細で丁寧。実験の時系列で説明してある。
・注意点やアドバイスが豊富
・写真入りなので実験のイメージがしやすい

本書が一冊あれば大抵のことはできる。
わからないことがあればまず最初に開く本。

表紙のデザインが洗練されていないゆえ、役に立たなさそうに見えてしまうのが残念。


『できマス!プロテオミクス』小田吉哉著 中山書店 2004

題名の軽さ同様、本文の口調も軽い。
だがしかし、(上記の本ほどではないが)プロトコルも多く、イラスト・写真も豊富でわかりやすい。
ワンポイントアドバイスも多い。


本書の特徴はむしろ、「プログラム(Perl)を勉強しなきゃダメだ!」という動機付けを読者にしてくれることであろう。

MSを使いこなすにはプログラムの技術が必須であること、
そしてそれはプログラマーに頼めないこと、
自分でできれば非常に強力な武器になること、
などのことが書いてある。

私は本書を読んでPerlの勉強を始めた。
本書にも軽くPerlのことは書いてあるが、本格的に勉強するなら専用の本を買ったほうが良いだろう。

(ただし、本書にもあるように、プログラム本は入門書でさえ「本物の初心者」への気配りが足りない。私も最初はPerlの起動さえできなかった。最終的に、著者と同じミスをしていることが判明し、本書に助けらた。)


『プロテオーム解析マニュアル』磯辺俊明 他著 羊土社 2004

情報量は多いのだが、今のところあまり役に立っていない。
プロトコルの数は多いのだが、各ステップどうしがつながっていない印象を受ける。

既に他のプロトコルによりMS操作の流れは把握している人が参照にするプロトコルである
ように思った。
今後は役に立ってくるのかもしれない。


『ポストゲノム・マススペクトロメトリー―生化学のための生体高分子解析』丹羽 利充編 科学同人 2003


プロトコルではなく、様々な利用方法や将来性について書かれている。
レベルは高め。
基本的なことは全て知っている人が参考にするための本。
各章を異なる著者が異なる手法で書かれているため、まとまりがないのが残念。


『これならわかるマススペクトロメトリー』志田保夫 他著 化学同人 2001

初心者向け。説明はわかりやすい。
「できる」ことでなく「わかる」ことが目的。
バイオ系というよりも、化学系をも包括した「概観」という印象。
実際の実験には一切使えない。

「MSはイヌかネコか?」のようなどうでもいいコラムも多く、
とにかく「初心者がとっつきやすいように」書くことを第一目的としている。
失敗集は化学系の人には役に立ちそう。
「困った依頼」集は読み物としておもしろい。


『生命科学のための最新マススペクトロメトリー』原田健一 他編 講談社 2002

もはや最新ではないが、マススペクトロメトリーの各業界(バイオ・創薬・および国際競争)における位置づけを知るには良い本。
プロトコルはないが、MSの利用方法を考えるヒントにはなるだろう。

「日本のMSは欧米に比べて極めて遅れている」と強調されているが、本書が発刊されたのは田中耕一さんの受賞前なので、現在とは国際競争面での位置づけは変わってきているはずである。
(ただし、受賞後も日本では単にMSが売れただけで全く根付いていないという指摘もある)



『ノーベル賞の質量分析法で病気を診る』清水章著 岩波書店 2003

わざわざ「ノーベル賞の」という冠をつけるところからしてミーハー精神満点である。
(それをわかっていながら買う私もミーハーである)

内容は一般向け。
「田中耕一さんってどういう業績でノーベル賞をもらったの?」
という初歩的なことを知りたい人が対象。

「異常ヘモグロビンを診断する」という項目だけで一章が割かれており、MSを病気の診断に使おうとする方向性はわかりやすい。


『生涯最高の失敗』田中耕一著 朝日新聞社 2003

田中さんの自著。
さすがに開発した本人なだけあって、そのいきさつや考え方は参考になる。
また、本書を読むとノーベル賞の受賞はむしろ田中さんにとって「事故」だったのではないかという気もしてくる。

後半はMSのしくみや将来性の解説。
講演を起こしたものだが、その後の山根一眞との対談が興味深い。
山根氏の「難しくてほとんどわかりませんでした、ねえ皆さん?」という趣旨の発言で始まる。

田中さんはおそらく講演する内容を間違えている。
MSのしくみなんて説明せずに、ノーベル賞関連のエピソードを話したほうが聴衆受けしたのではないかと思う。

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