スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

グローバルCOE:「一見ムダに見えた研究」の終焉

今日の大学院の講義は、
グローバルCOEのプレゼンテーションの予行演習でした。
近々、中央での審査があるらしく。

「もし当たったら諸君にもこの目標を達成してもらう必要があるから」
とのこと。

5年間で25億円

その一部は、院生へのフィールドワーク交通費の補助・奨学金などに回されるそうです。
確かに院生へのインパクトが大きい。


申請のテーマは、「細分化してしまった生物学の統合」だそうで。

現在は分子(超・ミクロ)から生態系(超・マクロ)まで、
それぞれの段階で輪切りになって研究が進んでいる状態だけれども、
そこを学際的に繋げられるような研究をしようじゃないか、と。



その一例がまたすごい。
マクロの人たちに、感心と疑問を抱いてしまうものでした。

例1:暗黒ショウジョウバエの研究

マクロでは、暗闇の中でひたすら交配を続けさせたショウジョウバエを育てているらしい。

その期間、既に50年
約1300世代

「暗闇で育てたらどのような行動を示すか」を調べようとしたらしい。

しかし定量的な研究が難しいので、
ここはミクロの出番。
このショウジョウバエが示す行動の差を遺伝的に解析しようではありませんか、
という計画があるそうな。

例2:琵琶湖の生態の変化

京大では、過去100年に渡って、琵琶湖に生息する3000種もの生物の標本を毎年作られているらしい。
長期的な定点観測。
しかも未だ研究には使われていない

こういう「宝の山」(文字通り標本が山になっている)をミクロが発掘すれば
定量的な解析が可能ではないか、というもの。
環境問題とかに役立つ、カモ?


なんとも驚きです。

明らかに、こういったプロジェクトが開始された時点では
「どのように利用するか」は考えられていません。
(分子生物学自体がまだ脚光を浴びていませんし)

「おもしろそう」
「将来何かに使えそう」
程度のモチベーションだったのでしょう。

ミクロの世界ではなかなか考えにくいプロジェクトです。

マクロの多くは博物学と化していて科学と呼べるのかは疑問ではあるものの、
しかしこういう長期的で広範なプロジェクトを実行してしまうのには舌を巻きます。
しかも明確な目的抜きで。

昨今の「数値目標」によるプロジェクト申請では
こういったプロジェクトは確実に落とされてしまう
と思われます。

財政が切羽詰っている状況では致し方ないのかもしれませんが、今後
「最初はよくわからんデータだったけれども、技術と社会の進歩により貴重なデータになった」
という事例が激減するかと思うと寂しい思いもします。
スポンサーサイト

コメント

大いなる無駄遣い

こんな鼻くそにもならぬ研究に税金の無駄遣いをすることが国民に知れたら....
これに比べたら、政治家のお金のちょろまかしなんて可愛いくらいです。
研究分担者は全員犯罪者。代表者は死刑!

>Y.Nagataさん

コメントありがとうございます。
確かに意義がわかりにくい研究もあるのですが、
基礎研究にはある程度そのような要素が付きまとってしまうように思います。

カミオカンデにしても、「なんの役に立つのですか?」という質問に対し、小柴さん自身が「役に立ちません」と断言しているくらいでして。

カミオカンデなどに比べれば上記の「基礎研究」は研究費としても微々たるものです。
むしろ学生を使って資料を集めたりしているため、直接的にかかっている税金は多くないと考えられます。
以前はムダだった研究が今になって貴重な資料になっているのですから、むしろ現代の「役に立つものだけを」という風潮の反証にさえなると思っています。

>Nagataさん

こういう奴が日本を滅ぼす。基礎研究が廃れると、企業の技術者も育たなくなる。
「役に立つ」=金儲け
は発想が貧困すぎる。
長い歴史の中で、基礎分野の学問を排斥して栄えた国はない。
ルネサンス前のヨーロッパをみるといい。また、文化大革命の中国をみるといい。
中国は、わずか10年の文革の遅れを回復するのに、2-30年の時間を要した。

昨年のOECDの統計では、研究費で、日本は中国に抜かれた。10年以内に
研究成果でも、日本は中国に抜かれるだろう。

>通りすがりさん

コメントありがとうございます。
私もそのご意見には賛成ですが、無駄な炎上は避けたいので
できれば温和な表現を使用していただけると助かります。

既に生物系の論文でもLiとかXingとかいう名前が溢れていますからね。
彼らの多くがアメリカで成果を出していますが、そのうちアメリカに行かずとも自国で優秀な研究ができる日が来るでしょう。

変な研究

いろんな人がいろんなことをやっていて、中には、ちょっと変だぞ、というようなものも含まれているというのが、健全なのではないでしょうか。多様性は、科学的ブレークスルーの必須条件だと思います。

>心理学者さん

仰るとおりだと思います。その「ちょうど良い」バランスを保つためのシステムを構築するのが難しいから両極端に走ってしまうのでしょうね。

COE結果?

京大生物学からのグローバルCOEへのプロポーザルの結果はどうなったのですか?

>心理学者さん

京大生物からは1件が通りました。
総合責任者がその報告をした際、学生側の反応が薄かったので、
「君たちが喜んでくれないと、僕らも君たちのために頑張る気持ちがなくなってしまうんだよ」と残念がっていました。
予算や生活費が枯渇するという状態を知らないがゆえに、喜びの度合いが小さいのかもしれません。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。