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タンパク質はランダムコイル領域も機能を持ちうる

『日系サイエンス(Scientific American)』6月号によるレビュー。

普段は購読していないのですが、書店で「謎のタンパク質不定型領域」というヘッダーを見て即購入。

「構造が機能を決める」という言葉に魅かれて入った今の研究室。
このレビューは
「構造と機能は表裏一体 -こんなタンパク質の常識が変わろうとしている-」
という文で始まります。
なんとも面白そう。


実際に面白かったのですが、衝撃的というほどでもありませんでした。

一言で言えば、
「結合する相手によって特定の構造をとるランダムコイル領域がありますよ」
ということ。

そういうことがあり得るのは研究室内でも常識なので
今度のラボ内ジャーナルクラブのネタにはならなさそうです。



しかし知らなかったことはたくさんあったので
興味深かった点を箇条書きにしてみました。

・CREB-binding protein (CPB)には、500アミノ酸から成る長大なランダムコイル領域がある。

・結合相手によって安定な構造状態が異なるタンパク質がある。
HIF-1αという転写因子に含まれるC-TADというランダムコイルは、
TAZ-1に結合した場合とFIHに結合した場合によって構造が異なる。

・ランダムコイルは、シグナル伝達遺伝子の発現細胞周期の制御に関するタンパク質に多い。
加えて、これらは全て核か細胞質で働くタンパク質である。

・転写因子の49%がランダムコイル
・膜タンパク質の11%がランダムコイル

・膜タンパク質では、ランダムコイルは細胞内側に多い(細胞外:細胞内=1:4)

・原核生物ではほとんどランダムコイルがない(10%ほど)
真核生物では7割ほどがランダムコイルである

・原核生物には、Lonという強力なプロテアーゼがあるため、
ランダムコイル領域は手当たりしだい、即座に分解されてしまう。

・真核生物ではプロテアソームがタンパク質のシグナル領域を認知して厳密に分解が管理されているため、手当たり次第に分解されることはない。

・ランダムコイル領域は構造ドメイン部分よりも変異が許容されやすく、結果的に機能上の多様性を生じたと考えることもできる。
(構造部分は変異が起こると生体が維持できず、淘汰されやすい)

・選択的スプライシングにより多様性が生まれる部分は、ドメイン領域ではなくランダムコイル領域である。

・これまでの常識であった、「タンパク質はドメインの組み合わせから成る」という概念を訂正し、「タンパク質はドメインと非ドメイン領域から成る」と考えるべき




(それにしても・・・結晶化できないのは辛い。まずは結合相手を見つける必要がある、というこか)
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