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Synapses 第4章 3節 要約

前エントリーの続き。

全訳は無理でも要約くらいなら。

むしろ書きながら読んだ方が理解が早い。


Characteristics of Synaptic Vesicle Exocytosis

シナプス小胞のエキソサイトーシスは、他の膜輸送と次の点で異なる。
・カルシウムによって高度に制御されている
・局所性が強い

エキソサイトーシスは大きく次の経路を経て引き起こされる。
1) アクションポテンシャルが神経終末に達する
2) 電圧感受性のカルシウムチャネルが開く
3) カルシウムが神経内に流入する


カルシウムによって神経伝達物質が放出される以前に、ある程度の巻く融合の準備はできていると考える必要がある。
なぜか。
膜融合のためには、二対の脂質二重膜の表裏をそれぞれ結合させるという複雑な作業が必要になるが、カルシウムは0.1秒で神経伝達物質を放出する。
これは酵素反応の中でかなり速い方に属する。
よって、カルシウムは最終的な反応を引き起こすだけで、それまでのステップはカルシウムとは関係なく進んでいると考える方が妥当性が高い。

このステップは以下の3つに分かれる。
1) ドッキング:アクティブゾーンに小胞が結合する過程
2) プレフュージョン:エキソサイトーシスのためのプライミング
3) カルシウムによる融合:最終過程

1)について:
シナプス小胞をアクティブゾーンのみに結合させることの本質は何なのか、よくわかっていない。

2)について:
この過程の存在は、単にスピードの問題だけではなく、神経終末を高張液に浸すだけでもエキソサイトーシスは起こることからも示唆される。
よって、カルシウムは放出自体には絶対必要なものではなく、その制御に必要な物質であると考えられる。

神経系ではプライミングと呼ばれる(液胞などではプライミングは別の過程である)このステップはさらに何段階かに分けることができる。
しかも、これらの段階を経るスピードはやはりカルシウムによって制御されている。

3)について
じつはエキソサイトーシスはカルシウムや高張液に浸すことの他に、αラトロトキシン(クモ毒)によっても引き起こされる。


カルシウム依存性のエキソサイトーシスに必要なタンパク質の中で、判明しているのは以下の通りである。
・SNAREs (VAMP/シナプトブレビン、シンタキシン、SNAP-25)
・シンタキシン結合タンパク質 munc18a/nsec1

また、グルタミン酸作動性の神経終末におけるプレフュージョンにはmunc13-1が必要である。
Munc13-1の特性は以下の通り。
・active zoneにある
・大きい
・munc13-1はホルボールエステルに結合する
・multiple C2 domain(カルシウム結合モジュール)を持つ
・カルシウムおよび高張液によるエキソサイトーシスには必要だが、αラトロトキシンによるエキソサイトーシスには必要ない。
(→αラトロトキシンは高張液による作用の前に働いており、munc13-1はSNAREコンプレックスの下流で働いていることを示唆している)

これらの事実より、プレフュージョンだけでも何段階かのステップを踏んでいることがわかる。しかしよくわかっていない。
わかっていないのは、たとえば;
・カルシウム感受的な状態にどのように持っていっているのか
・最終的にカルシウムの基質となってエキソサイトーシスを終わらせるものは何なのか
など。

仮説としては;
・プレフュージョンは脂質二重膜の一枚分だけを融合させる
・融合は二重膜のどちらも終わっているが、カルシウムが流入するまで膜融合による『穴』が閉じられている
という考え方がある。

神経伝達物質の放出には、高いカルシウム濃度(局所的に100mM以上)が必要である。
このことから、3~4個以上のカルシウムイオンが同時に(そしておそらく協調的に)作用する必要があることが示唆される。
→カルシウムは、小胞の複数のタンパク質(のカルシウム結合部位)に結合しているであろう。

高張液では常にエキソサイトーシスが起こるのに対し、
カルシウムの流入では常にエキソサイトーシスが起こるわけではない(5~10回に一度しかない)
たとえエキソサイトーシスを起こしても、たった一つだけということもある(他の小胞にもカルシウムは結合しているにもかかわらず)。

このことは、アクションポテンシャルによって「常に」カルシウムの流入が起こることを考えると、どこかで負の制御があることの証左でもある。
この制御が、1/5~1/10の割合の小胞に対してのみ、エキソサイトーシスが可能な状態にしている。

また、この「常に神経伝達物質が放出されるわけではない」という性質は、中枢神経にとってはゆりである。
なぜか。

1)放出確率の低さは、シナプスの制御を大幅に余裕のあるものにしている。
もとは一つの神経であっても、個別のシナプスが個別に制御できるのである。

2)いったん神経伝達物質が放出されても、再び充填するための時間を早くできる。

3)シナプス可塑性を実現できる。それまでのシナプスの活動によって、次の神経伝達物質放出の振る舞いを変化させることができる
↓例
・二発連続刺激による亢進
・テタヌス後増強

場合によっては神経伝達物質の放出量が数倍増加or減少する


実質的に全てのshot-termな可塑性はカルシウムによって引き起こされることが知られている。
しかしどのように、様々な可塑性が生まれるのかは不明である。

3時間以上もシナプスの変化が持続するLTPやLDPについては2種類あることが知られている。
一つは海馬のCA1においてよく研究されており、ポストシナプス側のNMDA受容体が深く関わっていることが知られている。しかしプレシナプス側で何が起こっているのかは不明である。

対してCA3の苔状繊維では、プレシナプスでの変化が主因でLTPが起こる。

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