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Synapses 第4章 4節 要約

Synapses 続き。

Molecular Basis for Synaptic Membrane Fusion
The SNARE Cycle and munc 18a/nsec1



VAMPとシナプトブレビンの特徴
・C末が疎水性で、膜にアンカーされている
・アンカーはおそらく二重膜の全長(5nm)に及ぶ
・末端に30アミノ酸から成るプロリン-richな配列がある。ただし種間の保存性は低い
・中心(プロリンrich部位とアンカーの間)には70アミノ酸のα-へリックスがある(確定はしていない)
・へリックスは疎水性で、中心にアルギニンがある
・SNAP-25およびシンタキシンと相互作用する。
 ・SNAP-25(別名シナプトソームタンパク)は25kDaで、神経終末に多く見られる
 ・しかしその機能はよくわかっていない。
 ・パルミトイル化されたシステイン(中心付近の、選択的スプライス部位にある)によって膜にアンカーされている

 ・シンタキシンはHPC-1という抗体を使って偶然に発見された。
 ・22アミノ酸から成るC末によって膜にアンカーされている。


シンタキシンやSNAP-25およびVAMP、シナプトブレビンといったタンパク質は、ボツリヌス菌や破傷風毒の作用機序を解明することで明らかになってきた。
これらの毒は神経終末に入り込む特異的プロテアーゼであることがわかっている。
エキソサイトーシスに必要なタンパク質が分解され、神経伝達物質が伝わらないのである。しかもこれらのプロテアーゼは触媒的に働くため、非常に毒性が強い。
たった一分子でも神経終末全体を麻痺させるのに十分である。

しかし、これだけ劇的な変化があるにもかかわらず、エキソサイトーシス以外に大きな変化が見られない。
シナプスの形態的・構造的な変化もほとんど見られない。

具体的には、これらのプロテアーゼは次のタンパク質を特異的に切断する。
・テタヌス(破傷風の毒)およびボツリヌスB,D,F,G→VAMP, シナプトブレビン
・ボツリヌスA, E→SNAP-25

ちなみにこれらの毒は、カルシウムによる伝達物質放出のみならず、高張液やαラトロトキシンによる放出も阻害する。
(よって、SNAREsはカルシウムが関与するステップの前か同時に働いていると考えられる)


minimal core complex、およびシンタキシンの三次元構造は既に解かれている。
minimal core complexの特徴は以下の通り。

1) 4つのへリックスから成り、その内訳はVAMP/シナプトブレビンおよびシンタクシンから1本ずつ、SNAP25から2本である。
2) 4本のへリックスは全て平行である。(これにより膜同士が近接し、融合できるようになる。Zipper modelと呼ばれる)
3) ヘリカルバンドルは疎水部位をコアの中に押し込めている。これにより構造が安定になる(95℃の熱に耐える)。

In vitroの実験から、このcore complexを作る過程が律速段階だと考えられている。
特にSNAP-25がシンタキシンとの2量体を作る過程が重要である。

このcore complexのデフォルトの状態はclosedで、N末がSNAREモチーフのC末に折り返されている状態である。

シンタキシンのclosedコンフォメーションは、munc18aおよびnsec1と呼ばれる可溶性タンパク質と関与している。
Munc18aは膜輸送に関わる多くのタンパク質と相同である。
(同様に、SNAREsやnsec1も細胞内膜融合に関わるタンパク質の多くと相同である。ちなみにsec1が酵母で同定された初めてのタンパクファミリーであるのに対し、munc18aは生化学的に研究された初めてのタンパクである)
シンタクシンへの結合は、munc18aとSNAP-25が競合するため、シンタキシンとmunc-18aのclosed状態は、シンタキシンのopen状態は相互背反である可能性もある。

他の同様のタンパク質との相同性が高いので、SMタンパク(sec1とmunc18a)、SNAREs、rabタンパクは、細胞内での膜融合においても同様の機能を果たす可能性が高い。

仮説としては以下の流れが考えられる(Fig.4.6)
1) 小胞を認識する初期段階で、シンタキシンSNAREに結合したSMタンパクがRab GTPaseおよびそのエフェクターと相互作用する.
2) SMタンパクのがシンタキシンSNAREからの解離する。
3) その解離が、シンタキシンのヘリカルドメインと、SNAP-25およびVAMP/シナプトブレビンとの相互作用を促進する→core complexのできあがり
4) 膜が融合する

ただしこれはあくまでも仮説であって、SMタンパクがシンタキシンと相互作用することを疑問視する論文もある。

次の段階は、膜融合の後どのように膜から解離するか、である。

巻くとの強い相互作用と安定性は、解離にはエネルギーを要することを示唆している。

ATPaseであるNSFは、core complexと結合するためにSNAPの結合を必要とする。
NSFはcore complexを解離させる、かなり広範なシャペロンとして働く。
NSFによりATPが加水分解され、core complexはバラバラになり、VAMP/シナプトブレビンは小胞にリサイクルできるようになる。
SNAP-25やシンタキシンの多くは細胞膜に結合したままである。



酵母でシンタキシンと膜輸送の研究が進むにつれ、sed5pというタンパク質の存在が浮かび上がってきた。

このタンパク質には次の性質がある。
・シンタキシン1Aと似た配列を持つ
・中間ゴルジに局在している
・ER-ゴルジ間の輸送に必要

ERとゴルジ間の小胞輸送に必要なシンタキシンと、
神経伝達物質の放出に必要なシンタキシンの二種類を比較することで、次の2点を考えることができる。

1) シンタキシンが良く保存されていることは、真核細胞においてはシンタキシンの機能はどこでも同じということが示唆される。シナプス小胞のエキソサイトーシスは、他の膜融合とは極めて異なる制御を受けている。
2) 同様のタンパク質が分泌経路の別の場所に局在していることは、もっと多くのシンタキシンやVAMP/シナプトブレビンがどこかの膜のコンパートメントに局在している可能性を示唆している。もしそうなら、膜融合の特異性との関わりもわかってくるだろう。

現在では、
15種類のシンタキシン相同タンパク、
10種類のVAMP/シナプトブレビン相同タンパク、
3種類のSNAP-25相同タンパク
が同定されている。
これらのタンパク質の局在と機能はまだ研究途中である。
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