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自閉症にはSHANK3, Neuroligin3, 4 の変異が関与しているかもしれない

自閉症の人(の一部)にはSHANK3に変異がある
Durand MC et al
Mutations in the gene encoding the synaptic scaffolding protein SHANK3 are associated with autism spectrum disorders
Nature Genetics 39, Jan 2007


少し古い論文です。
学部生向けの論文紹介で使ったのでついでにアップしておきます。

この論文は、次の論文と同じグループが出しています。

自閉症の人(の一部)にはNeuroligin3と4に変異がある
Stephane Jamain et al
Mutations of the X-linked genes encoding neuroligins NLGN3 and NLGN4 are associated with autism
Nature Genetics, may 2003



自閉症と神経タンパク質の関わりが始めて示唆された最初の論文(のはず)です。


Neuroligin は神経細胞どうしを繋げる、PSDのタンパク質。
プレシナプスのNeurexinとCaイオン依存的に結合しています。

2003年の論文は、男性140人、女性18人の自閉症スペクトラム(ASD)の人のX染色体をスクリーニングしたものです。

Neuroligin4の遺伝子NLGN4がフレームシフトを起こし、膜貫通部位が翻訳される前に終止コドンにより翻訳が止まってしまっていることが判明しました。
コントロールの350人にはこの変異はなかったとしています。

さらにNeuroligin3に問題がある人も見つかりました。
Caイオンが結合するEFハンドの部位が変異していました。
これにより、Caイオンが存在していてもNeurexinと結合できていない可能性があります。


これにより、ASDの人は繋がるべき神経どうしが繋がっていないのではないかという議論が活発になってきました。


2007年のSHANK3の論文は、X染色体ではなく22番染色体に異常がある人もいるよ、というもの。

22番染色体のテロメア近くにあるSHANK3に変異があったようです。

SHANKは、PSDを形成する足場タンパク質の一つ。
HomerやCortactinと結合しています。

Neuroliginとも結合できます。
(「結合できる」だけで「結合している」とは書いていないのが気になりますが。
Referenceはこちら→Meyer et al, Neuropharmacology 47, 2004)

SHANKの研究では、3つの家系に変異が見つかっただけなので、インパクトはNeuroliginほどは大きくありません。
家系1ではSHANKを含む22q13が欠損しており、
家系2ではexon22にグアニンが挿入されており、
家系3では22qterがトリソミーになっていた、
と報告しています。

これらの家系でNeuroligin3や4に変異があるのかどうかという点は書かれていませんでした。
NeuroliginはPSD-95にも結合しているはずで、そうなるとSHANKがおかしくてもNeuroligin-Neurexinの結合には問題が内容に思います。

もしくは、Neuroligin云々ではなく、SHANKに結合している他の足場タンパク全体が崩れるため、神経接続もおかしくなっているのかもしれません。


他の要因との関係性も興味があるところです。
気圧を変化させたりオキシトシンを嗅がせただけで症状が和らいだりすることを考えると、恒常的なシナプス異常が単独で自閉症の原因となっているとはまず考えにくいので。
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コメント

Shank3の以上のみで説明できる自閉症患児はせいぜい数%という観測もありますが、分子生物学的な解明の糸口、ひいては新薬の開発につながるものだと思います。今後がどうなるか期待を込めて見ているところです。

>HFさん

コメントありがとうございます。Shank3で説明できる事例は数%しかないのですか。それは少ないですね。既に説明になっていない気がします。「人類になるには血液型がABである必要がある。ただしこの説が適応できるのは数%」と言っているのと同じような・・・

私も今後の展開が気になります。
もしHFさんもブログなどお持ちなら是非お教えください。

自閉症について

HILOKIさん、はじめまして、同じく京都に住む自閉症の息子を持つクニと申します。

専門家でないので、分かっていないことが多いのですが、日々接する中で自閉症を考えさせられいます。

現在考えている自閉症の原因について、ご意見を伺えれば有り難いのですが。

自閉症は記憶の再固定に関係するアクチビン/フォリスタチンの過剰過少に偏ることで意味記憶の形成が阻害される。それを調節するのが細胞外のヘパラン硫酸を通じての細胞内のnNOSからのNO、そのnNOSに繋がるのがPSD95、そのPSD95に繋がるのがNMDA受容体のNR2Bやニューロリジンなど。

リノール酸など6価の油の過剰摂取は、炎症の抑制と過活性との両面に働き、NMDA受容体の過活性、抑制に繋がり、記憶にも繋がるかと。これらの偏りが、幼児期には認知の面、思春期以降は精神疾患との関係がでてくるのではと。

>クニさん

コメントありがとうございます。
クニさんのページを拝読いたしました。大変な勉強量に圧倒されました。
私も専門家ではありませんので無責任なことを申せない立場にあります。
しかし、NMDA受容体やNR2Bなど記憶に関わる分子が自閉症にも関わっている可能性は高いと考えられます。
ただ自閉症は、症状として記憶能力の変化は見られても、それが自閉症の本質だとは考えておりません。
記憶能力だけが変化し、他のふるまいは全く変化しない疾患も多いからです。
自閉症との関係が示唆されている遺伝子は7つ以上そんざいし、それら全て必要条件でも十分条件でもないため、まだまだ遺伝学的にも黎明期であると思われます。

ご意見、ありがとうございます

HILOKI さん、ありがとうございます。
遺伝子の関係など見させて頂きました。

脆弱X症候群がPSD95に関係すること、ニューロリジンなどそれに連なるものがグルタミン酸の逆行性伝達に、NR2Bが脳の左右の機能の違いに関係するようで、男女の違いはもともとありそうな言語と関係深いFOXP2と何か関係しないかと、これで説明出来そうなことも多そうですし。

CADPS2に関係するBDNFは、多い少ないで自閉症のタイプが分かれるようですし、NMDA受容体にも関係し、CD38はオキシトシンや免疫、インスリンに関係し、βカテニンの上流のWnt/GSK3βにも影響するのではと。また、酸化ストレスや炎症によるトリプトファンのIDOによる分解などによるモノアミンやNMDA受容体への影響なども大きいのかとも。

専門的な基礎知識が欠けておりますので、強引かどうかも分かりませんが、自閉症はNMDA受容体のNR2BとPSD95につながるのでは。

映像記憶型のすでに成人している息子に、抗炎症抗酸化のウコンを飲ませると、気分の沈静化をするとともに、目をつぶって映像記憶を見る機会、時間が増えたようで、時間がだいぶ戻ったような感じです。すでにはじまっていたNMDA受容体の何らかの抑制が弱くなったのかなとおもいますし、炎症や酸化ストレスもやはり関係するのではとおもっています。

後こんなのも目に付きました。
http://www.nature.com/neuro/journal/v10/n6/abs/nn1903.html
BDNF induces transport of PSD-95 to dendrites through PI3K-AKT signaling after NMDA receptor activation

お返事が大幅に遅れてしまい、大変申し訳ありません。

CD38とWnt/GSKカスケードのお話とnatureの論文は大変興味深く読ませていただきました。
専門家ではないと仰いますが、十分に専門家に近い知識をお持ちだと思います。
有名大学の教授・助教授でも基礎教科書(CELL)の内容さえ知らないということは意外に多くありますし。
しかも、自閉症の研究者の中には実際に自閉症の人と接する機会が少ない人も多くおりますので、クニ様のような方はむしろ研究会でも重宝されるのではないでしょうか。

お忙しいのにコメントありがとうございます

確かに、目の前の一人や知り合いの高機能の方達から考えらる有利さはあり、おぼろげながら像ができあがりつつありますが、その後どうつなげていけば長年待ち望んだ次の展開になるのか全く分かりません。

先にコメントさせて頂いたあと、人が一時的にコントロールを失う状態の幅広い原因でおこるせん妄を知り、自閉症にHILOKIさんもどこかに書かれていた自閉症もつながりの中で起こる障害という思いを深めました。ただし、自閉症スペクトラムがある範囲内で起こることの変調があるということで、息子とは明らかに違うダウン症の7%の方が診断基準を満たすことや、機能の亢進、障害が混じっている状態であることも分かりにくくしているのだろうと。

タイプでいえばテンプルグランディンさんに近そうな息子は、記憶がよく、接触に痛みがあり、小児喘息ももっていましたので、IL-1やIL-18などが亢進してい、それにはどちらも活性化させるカスパーゼ1が関係しているのではと思い始めています、興奮しやすい息子を落ち着かせているようにおもうウコンは、抗炎症作用や抗酸化物質のグルタチオンを増やす働きがありそうで、アルツハイマーだけでなく、アトピーや喘息に効きそうで、このカスパーゼ1にも酸化ストレスを下げることで効き、ひょっとしてこのタイプの根本的なところに効くのではとという気も。

ウコン、DHCの安いやつを一応目安として袋に書かれている量ですが、私も飲んで実感するのが少なくとも衝動性を下げる効果はあり、酸化ストレスと関係しそうな依存症などでも使える場面が多いのではと。

下記、目次の情報だけですが、カルパインによる限定分解のp25/Cdk5やGSK-3、Wnt Pathway、PSD-95、PACAPなど注目しているところが出てきて、面白かったです。
http://www.medinfo.jp/products/47264_etoc.html
市場調査資料情報
神経疾患治療における飛躍的発展動向:アルツハイマー病、パーキンソン病、鬱病、双極性障害、統合失調症

ダウン症の人も自閉症の基準を満たすことがあることは知りませんでした。
自閉症のタイプの多様性から、自閉症の定義自体が曖昧になっているのでしょうか。
自閉症と一括りにせずに、もっと個別の症状に適応した研究ができないかと思います。
こういったことを伺うにつれ、「うつモデルマウス」や「自閉症モデルマウス」の信憑性が疑わしく思えてきます。

ウコンは二日酔いを防ぐために私も重宝しています。
アルコールの分解を促進してくれるものと思い込んでいましたが、もしかしたら脳に直接作用しているのかもしれない、とクニ様のお話を伺って思いました。

今後も自閉症に関するエントリーもしていく予定ですので、もし誤解や誤謬がありましたらご指摘頂ければ大変嬉しく思います。

たぶん自閉症のしんどさと二日酔いは重なる部分がおおきいのではと

アルコールの利尿作用で親愛のオキシトシンが、利尿剤のアルコールの分解で抗利尿ホルモンが亢進し、それが二日酔いのしんどさの大きな部分だとおもいます。このへんは圧力にも反応し、親愛の情を表すのにハグすることに通じるとおもうのですが、高機能自閉症者で動物学者のテンプル・グランディンさんの締めつけ機も圧力で二日酔いのような状態を緩和するのだろうとおもいますし、ウコンがテンプルさんに症状が似たタイプの息子を落ち着かせるのも 、そのあたりの関係かと。

自閉症にも関係するうつ、モノアミンのシナプス小胞への出口VMAT2が酸化ストレスに弱いのに、それへの対応がないのが素人目に不思議です。ウコンは消炎作用がありますので、セロトニンなどの再吸収口は開くようにおもいますが、ウコンでうつを治したと医療関係者の方、たぶん医師が本を出しておられたようにおもういますが、VMAT2に変調にウコンの抗酸化作用が効くのかもと、抗利尿ホルモンは酸化ストレスとの関係が深かったりするので、こちらとの関係かもしれませんが。

高機能の自閉症者で多重人格の方に、ドナ・ウィリアムスさんや藤家寛子さんなどがおられますが、自分というモノは運動の指令の予測通りに動くモノ、その辺の小脳などの予測の回路の不調が関係しているのではとか、我流で間口が狭いのですが、日々目の前にある『自閉症とは』を考えております。

またの自閉症のエントリーも、楽しみにさせていただきます。

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