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タンパク質構造のコンピュータ予測

今日の講義は理論分子生物学。
「コンピュータでタンパク質の分子構造を予測しましょう」というテーマでした。

「今のところ、コンピュータで予測しても、最終的には実験で確かめなければなりません」
と、最初から弱気な発言。

きっとこれまで、
「コンピュータで予測したところで証明にならない」
と叩かれてきたんだろうなぁ。


私としては、将来的にはコンピュータ予測の方が有用になるのではないかと空想しているのですが。

「コンピュータは信用ならん」と言いますが、ウェットな実験だって、タンパク質を結晶化するために様々なアーティファクトを加えており、「ネイティブな構造なのかわからない」のはお互い様だと思います。

初期値とモデルさえ完全なら、コンピュータの方が何らアーティファクトを加えずに構造を知ることができます。
(今はその「初期値とモデル」が貧弱なだけで)

しかも技術的に結晶化が不可能、もしくは極めて難しいという場合には「実験で確かめる」という選択が取れません。

コンピュータが出した構造があらゆる実験結果と整合性があるのなら、ウェットで構造化しなくてもいったんそれを「正しい」構造とみなしても良いのでは?


天体の動きもカオスですが、探査ロケットの軌道を
「飛ばしてみなければわからない」
なんて言う人はいません。

天体およびロケットの相互作用を計算すれば、飛ばす前からロケットの軌道は非常に良い精度でわかります。

タンパク質も、天体が超密集した状態と考えれば、原理的に「科学の範疇で」予測できると言えるはずです。

「全て試してみなければ証明と言わない」のはある意味で科学の敗北のように思ってしまいます。




ウェットとドライの間には思想だけでなく知識の溝も大きいので、
もう少しお互いに歩み寄れば生産的なのではないかとも思いました。

今日の講義も、「エントロピーが・・・」「ギブス自由エネルギーが・・・」という言葉がよく出てきましたが、多くの学生には意味不明だったはずです。

(「ランダムコイルをとるタンパク質であっても、それはエントロピーがエネルギーを超えるからであって、エネルギー最小状態を追求する方向性は間違っていないはず」という説明には少し納得)

これらの用語は物理出身でない限り生物屋さんにはなじみの薄い言葉。
ただの分数が出てきただけで「わたし数学ダメだから」と忌避する人も珍しくありません。


逆に、今回の教授はウェットの知識には弱そうでした。

私が「このタンパク質はよく研究されていると言うことですが、
ドーパミンが結合したときの構造も予測されているのでしょうか?」
と質問したところ、

「ドーパミンってどんな分子なんですか?」

なんて言われて驚愕しましたし。

ドーパミンの構造を知らなくてもドライはやっていけるんだ・・・。



でも生き残るためには「狭く深く(選択と集中?)」の方がいいのかなぁ。
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コメント

>もう少しお互いに歩み寄れば
まずドーパミンを知らないドライの人を、軽蔑するのをやめることから始めたらいかがでしょうか。

:

仰る通りです。
ドーパミンさえ知らないと知ったときに私が感じた驚きを、ドライの人もウェットな人に対して抱いているのだと気付いたことで、歩み寄りの必要性を痛感したのです。

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