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【論文】音痴の人は空間処理能力も低い

音痴の人は空間処理能力にも問題アリ
Petr Janata
The highs and lows of being tone deaf
Nature Neuroscience 10, Jul 2007


Nature Neuroscience とNeuronに報告された成果をまとめたレビューです。

音痴の人は空間処理能力にも欠陥があるのではないか、ということを報告しています。

(脱線しますが、「音痴」も「痴呆」同様、差別用語として今後は排斥されそうな予感がします。「音痴」を使えないとなると、「音認知症」とか「音程認識障害」とかいう名前になるのでしょうか。こちらのほうがいかにも「病名」っぽくて問題があるようにも思いますが・・・)

たとえば、音の高低が下がったか上がったかを検知するのが苦手な人は、
立体図形を頭の中で回転させるテストも苦手である、というようなことを調べています。

さらに、この「図形の脳内回転テスト」を、音の高低認識テストと「同時に」やらせると、音痴ではない人は間違えまくるのに対し、音痴の人は正解率が高いらしいです。
音痴ではない人は、空間認知の部位を空間か音程かのどちらかにしか使えないからではないか、としています。

他にも興味深かったのは次の実験。

1) 被験者に2つの音を連続して聞かせる。

2) もし2つ目の音が最初の音よりも高ければ、高い位置にあるボタンを押す。もし低ければ低いほうのボタンを押す。

3) 今度は逆に、音が高くなれば低いボタンを、低くなれば高いボタンを押す。

4) 実験の結果、コントロール(音痴ではない人)は、2)の「高ければ高いボタン」テストのほうが反応が早かったのに対し、音痴の人は2)と3)のテストに反応時間差がなかった。


なかなか楽しそうな実験です。
結果はともかく、実験系の工夫自体がおもしろい。
いかにもnatureらしいというか。

どの言語でも周波数の違いを「高い」「低い」という空間的な言葉で表しているのは不思議です。
本質的に周波数と空間的な位置には関係がないはずなのに。


ない頭をひねって、脳が両者を結び付けている理由を考えてみると、

1)高いところにある物ほど高い音を出す可能性が高い
2)高いところから落ちてくるものほど高い音を出す可能性が高い

という理由が考えられます。

1)に関して。
たとえば動物の声。
鳥は、高いところを飛ぶために小さくなければいけません。
小さい音源は必然的に音が高くなります。

2)に関して。
物が落ちてくるときの「ヒュー」という音は、ドップラー効果によって高音側にシフトしています。
自分の耳よりも「低い」側に移った瞬間に音は「低く」なります。

そんな日常の経験から、「音の高さ」と「位置の高さ」が頭の中でリンクしているのではないでしょうか。

音の高さと位置の高さは本質的に関係がない以上、このリンクには可塑性があると考えられます。

たとえば音源が左右どちらにあるかを判定できるのは、左右の耳に音が届く時間差と、方向の感覚が脳内でリンクしているからというのは周知のところです。

このリンクは可塑的であることが知られています。
視野全体を左右どちらかに傾けるメガネをかけると、最初は音源を正確に捉えられませんが、そのうち正確にどの方向から音が来ているのかを当てられるようになります。
音の時間差と空間のリンクが繋ぎ変えられたからと考えられます。

ならば、音の高低も、上下が逆に見える「逆さメガネ」をかければ空間認知とのリンクが繫ぎ変えられることも考えられます。


ん?
でも、音痴の人って、治るんだっけ?
治らないなら、可塑性も低いという気もしてくる・・・。
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音痴に効くクスリ

はじめまして。

音痴と空間処理。大変興味深いです。
ところで「○○オンチ」という言うぐらいオンチは一般化してますね。たしかに「○○障害」とかのがよっぽどなんだか、です。
私の知り合いの音痴人は、とてもピュアでいい人です、が、時に主語や目的語が抜けたメールをしてきます。誤字脱字が多く、一生懸命使う絵文字もとんちんかん。時には失礼な事も。空間認識が言語認識にも関っているならば、その高低・優劣も「音痴」な気がします。

先ほど某サイトで妊娠時にホルモンの影響?か、母親の記憶が低下する「赤ちゃん脳」現象を知り、「空間認識」をググッたらHILOKIさんのブログに着きました。

音痴をまたは方向音痴など、空間認識の訓練やホルモンなどで直せたら面白いと思いました。

サモエド

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